韓国当局は逆にウォンを買い支える介入を余儀なくされ、外貨準備高は昨年11、12月と2カ月連続で減少している。1997年のアジア通貨危機当時と比べると十分な額があるとの見方もあるが、韓国の民間シンクタンク、韓国経済研究院は、2014年現在の外貨準備高3636億ドル(約42兆7700億円)では、通貨危機発生時に必要な外貨準備水準に797億ドル(9兆3750億円)足りないと分析した。
前出の上念氏はこう警告する。
「韓国当局がウォンの買い支えを続け、外貨準備が底を突きそうだと分かった時点で投機筋が群がってくれば、ウォンは大暴落し、アジア通貨危機と同じような状態に陥りかねない。国内事情やプライドばかり優先していると、結局大きなしっぺ返しを食らうだろう」