外貨準備高もすでに3兆ドル規模まで減少している可能性があり、2兆ドルになると「非常ベルが鳴る」とのエコノミストの見方を伝えている。
中韓経済に詳しい経済評論家の上念司氏は、「中国当局が人民元のレートを維持しようとすると、投機筋は外貨準備を徹底的に売り浴びせ、2年以内に通貨危機に見舞われる。通貨危機が確実な情勢となれば投機筋はさらに勢いを増すだろう」と予測する。
韓国でも、昨年2月に終了した日本とのスワップ協定再開を求める機運が高まっている。スワップは経済力のある国が周辺国を支援する側面が強いため、事実上は韓国で経済危機が発生し米ドルや日本円が不足したときに、日本が通貨を融通して救済することになる。
昨年10月には日本経済団体連合会に対し、韓国の全国経済人連合会が再開を呼び掛けたほか、政財界やメディアから日本とのスワップ再開を求める声が相次いでいる。
日本政府は、韓国の非公式による再開打診に応じる気はなく、韓国政府から正式要請があれば再締結に応じる方針だ。
韓国側から頭を下げるのはプライドが傷つけられるのか、柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相兼企画財政相は「(韓国が日本に)要請する段階ではない」と述べる一方、「日本政府がやろうというなら反対する理由はない」と本音も透けている。
韓国は従来、自国産業の輸出に有利なウォン安方向に為替レートを誘導する方向で大規模な介入を繰り返し、米財務省や国際通貨基金(IMF)から批判を受けてきた。
ドル買いを重ねた結果、外貨準備も積み上がってきたはずが、中国の景気失速と人民元急落に連動する形で一転してウォンが売り浴びせられている。