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【経済インサイド】
サウジ・イラン断交はやらせではないか!? 原油価格の下落基調に「産油国が一芝居打った」との見方も…
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そんななか、市場では産油国が原油価格上昇を狙った“賭け”に失敗したとの観測も出ている。ニューズウィーク日本版のコラムではサウジとイランの断交を「一種のやらせ」と指摘。シーア派指導者の処刑報道後、テヘランのサウジ大使館襲撃や断交までの展開が速すぎるとして、「緊張を相互に演出」し原油価格の上昇を図ったと分析した。
国内の市場関係者も「噂レベル」としながら、こうした見方が一部であることを認める。ロシアのシリアに対する軍事介入も、地政学的リスクをあおり原油価格を高値誘導したい思惑があったと指摘される。
産油国は盟主サウジですら巨額の財政赤字に苦しみ、水道や電気料金の値上げに踏み切るなど追い詰められている。シェール側への“負け”宣言となる協調減産を避けながら、産油国が油価引き上げを図ったとのシナリオもあながち茶飲み話とはいえない。