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【経済インサイド】
サウジ・イラン断交はやらせではないか!? 原油価格の下落基調に「産油国が一芝居打った」との見方も…
産油国間で緊張が高まれば原油の生産・出荷に支障が出る不安から原油価格には上昇圧力がかかる。世界最大のチョークポイント(重要な交通路)といわれる「ホルムズ海峡」はサウジとイランに囲まれており、機雷の敷設による海上封鎖にまで発展すれば、原油の8割を中東からの輸入に頼る日本を始め多くの消費国は大打撃を受ける。
だが、原油価格はセオリー通りに動かなかった。WTIは4日こそ約1カ月ぶりの高値となる1バレル=38.39ドルまで上昇したものの、その後は売りが優勢となり、底値が見えない状況となった。
油価急落を引き起こしたのは世界第2位の消費国である中国の景気減速だ。上海などの証券取引所では相場の急変動を防ぐため4日に導入したばかりの緊急の取引停止措置(サーキット・ブレーカー)の運用がとりやめられるなど混乱が広がり、中国を震源地にした世界同時株安に拡大。チャイナリスクが原油安を誘引し、財政運営に打撃を受けた産油国のオイルマネーが株式市場から逃避してさらなる株安を産む悪循環に陥った。