2016–01–16 (Sat) 21:24
昨日は研修の為、更新お休みしました。
本日はその代り、複数更新の予定です。
一本目の記事は、少々重い記事です…。
バス事故 急ハンドルで制御効かず転落か警察の調べによりますと、バスは現場の100メートル程手前のガードレールに接触したあと反対車線に出たとみられ、現場の路面には両輪ではなく右側のタイヤの跡だけが強く残っているということです。また、複数の乗客が事故の直前、かなりのスピードが出て車体が左右に振れていたことや、遠心力のようなものが右側にかかっていたなどと話していることが分かりました。
わたしもそれほど歳を取っている訳ではありませんが、
自分より若い人たちがこうして命を失うのは、聞いているだけでもつらい事です。
現場に駆け付けた救急隊員さんのご苦労、特に悪いトリアージのタグを置く時のご心痛や、
搬入先の救命センターで懸命の処置にあたられた、
ご先輩の医師や看護師の皆さまの事などを思っていたら…
ご遺体に置かれた黒いトリアージ・タグを見た事など、311震災の当時の出来事なども思い出し、
非常に悲しい思いに囚われます。
そしてこの事故、今の日本を象徴するような出来事に思えてなりません。

マーキングしたカーブが事故現場のようです。
峠を越えて、あと僅かで軽井沢の街に入る所です。
それほどきつくないカーブですが、その手前はかなり勾配がきつい下り坂のようです。

現場の写真をグーグルで見ると、対向の上り(高崎方面ゆき)は登板車線が見えます。
と言う事はこの付近もきつい下り勾配。
このカーブを抜け、次のカーブを過ぎれば、軽井沢の市街の外れです。
深夜とはいえ街灯りは煌々として、暗闇の中の峠越えの後、ほっと一心地がつけたでしょうに…
第一報を聞いた時には、居眠りが原因かとも思ったのですが、
どうもそうではない様ですね。
「すごいスピードで右往左往 尋常じゃない曲がり方」男子大学生は「バスがすごいスピードで右往左往して遠心力で車内の乗客が揺れた。最初は山道を登っているのかと思ったが、尋常じゃない曲がり方だった。おかしいなと思ったが、頭を打って気を失い『起きてください』という乗客の声で目を覚ましたら、バスが横になっていた。
右側のタイヤ痕だけ残っているのは、遠心力に負けて右側だけの片輪走行していたのでしょう。
ハンドルはカーブ方向の左に切っているので、タイヤが左斜めをむきながら走行した為、
その様な跡がついたと考えられます。
そう考えてみると、どうも運転手は懸命にハンドル操作をしていたような感じですね。
居眠りしていれば手前のカーブで既に事故を起こしていたでしょうし。
スピードが予想外に出過ぎて、それに戸惑いながらハンドル操作をしていた…
基本的には危ないと思えば、ブレーキを踏めば良いのですが、
それが出来ない状況だったのか、それを忘れるほどのパニックに陥っていたのか…
ブレーキがベーパーロック状態になっていたのか…
ベーパーロック現象ベーパーロック現象 (ベーパーロックげんしょう、vapor lock) とは、自動車のフットブレーキが過熱した際、伝達経路である液圧系統内部に蒸気 (=vapor)による気泡が生じ、そのために力が伝わらなくなることをいう。この状態でブレーキペダルを踏んでもブレーキは効かない。「ヴェイパーロック」と表記[誰?]されることもある。
ただ、わたしにはそうも思えないのです。
運転手の方は65歳の大ベテランです。
碓氷峠の様な下り坂でブレーキを連続して使用すれば、
ベーパーロックを起こす事位は百も承知でしょう。
それに、例えベーパーロックを起こしても、
落ち着いてシフトダウンし、エンジンブレーキを使用すれば良いのであり、
最悪の場合、ある程度速度が落ちていれば、ガードレールに車体をこすらせて、
その摩擦で車両を停止する事が出来ます。
バスはボロボロになりますが、大事故になるよりはずっと良いですよね…
運転手「ツアーバス経験なし」 この会社の社長によりますと、土屋運転手は、別のバス会社での勤務を経て、平成23年2月に入社し先月までのおよそ5年間在籍していたということです。
主な業務は、週2回から3回、比較的小型のバスを使った冠婚葬祭の会場までの送迎など近距離の運転が中心で、この会社では今回のようなスキーのツアーバスの仕事はしていなかったということです。
会社の社長は「会社での勤務態度は特に悪い印象はなく、技術も普通だったが運転手は『自分は大型のバスの運転はしない』と言っていた。会社をやめる際は、別の会社に行くことも知らされておらず、事故を起こして亡くなったことが信じられない」と話していました。
「自分は大型のバスは運転しない」
この記事を読んだ時、はっと気がつくことが一つありました。
きつい下り勾配を降りるときは、別にベーパーロックを起こしていなくても、
エンジンブレーキを使用して抑速制御を行います。
でも、そのエンジンブレーキが効かなかったとしたら…?
今の大型バスのギアは、「フィンガーシフト」が主流です。
フィンガーシフトフィンガーシフトとは、自動車の運転席横に設けられているごく短いシフトレバー。電気信号のスイッチで、油圧または圧縮空気で変速機が操作される。
嘗てはロッドシフト(床付近から出た長い棒の先に球みたいなのがついた、アレです)がバスの主流でしたが、特に大型バスでは、運転士の労力軽減の為に、それこそ「指だけで簡単に操作できる」、このフィンガーシフトが主流になりました。

このギアは小型バスやトラックなどの一般的な機械式シフトと違い、
シフト操作からギアが実際に入るまでのタイムラグが生じたり、
回転数が一致していないとギアが入らない場合もあります。
つまり、急な下り坂になって速度が上がってしまった時、
慌てて回転数が合わないギアまでシフトダウンしてしまうと、
クラッチをつないでもギアが入りません。
現場付近は長い上り坂の末に峠を越えると、
今度は一転下り坂になって、軽井沢の街へ駆け下っていく事になります。
慣れない道での急な下り勾配、速度は60…70…と上がっていく…
その時慌てて、例えば4速や5速からいきなり2速へシフトダウンしても、
回転数が合わないので、ギアチェンジ自体がキャンセルされてしまいます。
さらに恐ろしいのは、ギアはキャンセル前の4速や5速ではなく、
ニュートラルの状態になってしまうという事です。
自動車免許をお持ちの方、想い出してみてください。
自動車学校で、こんな事を習いませんでしたか?
「下り坂で、ギアをニュートラルに入れてはいけません☆」と。
エンジンブレーキがゼロになった車は、暴走を始めます。
でも、上記の様な事が知識としてあれば、
「おかしい、更に加速していくぞ、おいおい!」と思ったら、
ギアを回転数にあう所へ入れなおせばよいのです。
フットブレーキを使って当座速度を落としながら、2速を3速や4速に入れなおして、
あらためてエンジンブレーキを使った抑速運転に切り替えればよいのです。
気になった点はそこです。
この運転手さんは、「フィンガーシフト」の特性を知らなかったのではないかと…?
もしそうならば、セカンドにシフトダウンさせたのに、
(実際には一番危険なニュートラルに入っている為)速度がどんどん増していく…
「どうしたんだ? 何が起こっているんだ?…!」
「どうしてエンジンブレーキを掛けているのに、加速しているんだ?…!」
そんなパニックに陥ってしまったとしたら…
記事にある様な異常な状況も、説明できるような気がします。
低速ギアに入れたつもりなのに、実際にはニュートラルで下り坂を駆け下っている…
(実際見た目上は、ギアは低速にちゃんと設定されています)
それがどれほど恐ろしい事かは、自分で車の運転をされる方なら、
十二分にお分か頂けるかと思います。
「バスは小型・中型・大型で、それぞれ特性や操作方法が違うんですよ。
高速バスに使うバスと、ローカル線で使う小型バスでは全然扱いが違うので、
はじめての車種に乗る時は、教官や先輩社員から、細かい指導を受けるんですよ」
以前、宮城交通(宮城県最大のバス会社)の運転士の方に、そういうお話を伺った事があります。
その時に教わった事の一つが、このフィンガーシフトの取扱上の注意でした。
その記憶が、この記事を読んで、頭に浮かびあがって来たのです。
そういう細かい指導さえ受けていれば、上記の様な事態でも十分対処できますが…
小型バスにも、このタイプを装備したものもあるのかもしれませんが、
これまで不運にも、そういう車種への乗務が無かったかもしれません。
そして運行していたバス会社は、どうも杜撰な会社の様です。
この点において何のレクチャーもせずに、運転手さんを乗務させたのかもしれません。
もし、そうだとしたら…
なんとも悲しいお話です…
(あとでもう少し加筆or後日別建ての後追い記事執筆の予定です)
入社は昨年の12月...
高齢ドライバー...
高速代を浮かす為のコース変更...
じゃ...その指示は同じ会社の同乗していたドライバー?
偶然が重なりあった当然の事故...
私も同様、若い生命が一瞬に奪われた事が何よりも悲しい...