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ドーピング告発の元ロシア陸上代表夫妻が実態明かす
1月21日 11時52分

ロシア陸上界のドーピング問題で、不正を告発した元ロシア代表選手の夫妻が、国際陸上競技連盟幹部の関与が明らかになってから初めて、NHKの取材に応じ、ほかの国や地域でのドーピング疑惑の解明など抜本的な対策が取られていないとして、危機感を示しました。
この問題は、去年11月にWADA=世界アンチドーピング機構がロシア陸上界の組織的なドーピングを認定して、ロシア陸連が資格停止処分となり、今月14日には国際陸連の前会長らがドーピングの隠蔽に関わっていたと指摘されたものです。
一連の問題のきっかけとなったドイツのテレビ番組でおととし不正を告発した、女子800メートルの元ロシア代表、ユリア・ステパノワ選手は、現在、夫とともにロシアを離れていて、滞在場所を明かさないことを条件に、WADAの認定後初めてのメディアからの取材として、NHKの単独インタビューに応じました。
この中で、ステパノワ選手は「試合の準備でドーピングをしていたし、ほかの選手も当たり前のようにしていた。コーチが禁止薬物をくれた」などと、改めてドーピングの実態を説明しました。
そのうえで、国際陸連がロシアの資格回復の可否を判断するために行っている現地調査について、「よい結果が出て、資格停止解除になってほしいが、20年以上かけて出来上がったシステムが、数か月で変わるとは思えない」と指摘し、8月のオリンピックまでの回復は難しいという認識を示しました。
また、ロシアアンチドーピング機構の職員だった夫のビタリーさんは、国際陸連幹部の不正について、「国際陸連自体の処分に踏み込んでおらず、失望した。WADAには妥協せず国際陸連と戦ってほしかったし、ロシア以外の国や地域のドーピングなど、もっと多くの不正を明らかにしてほしかった」と話し、抜本的な対策が取られていないとして、危機感を示しました。

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