原発事故で全村避難中の飯舘村が幼稚園や小中学校を2017年4月に村内で再開する方針をめぐり、村の中学1年生と菅野典雄村長が19日、福島市内の仮設校舎で意見交換した。「友だちと別れたくない」と女子生徒が涙ながらに訴えるなど、反対意見が相次いだ。

 参加者は17年春に中3になる31人。「このメンバーで卒業したい」と、村内の中学に通うかどうかで友だち同士が離ればなれになるのを心配する声や、「村内までバス通学すると受験勉強の時間が少なくなる」といった声が出た。

 これに対し、菅野村長は「延期しても別の学年が同じ思いをする。どの中学に行くかという大変な決断をさせるのは申し訳ないが、長い人生では決断は避けて通れない。人生の糧にして欲しい」と語った。

 学級委員長の佐藤安美さん(13)は避難による友人との別れや外遊びの制限などを思い出し、涙が出たという。「やっと落ち着いたのに、またバラバラになるのは嫌」と話した。