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最終更新:2016年1月20日(水) 18時44分

「帝国の慰安婦」著者の教授、初公判で無罪主張

 慰安婦問題を扱った韓国の学術書について、元慰安婦の名誉を傷つけた罪に問われている著者の初公判が、ソウルで開かれました。

 韓国・世宗(セジョン)大学の朴裕河(パク・ユハ)教授は、著書「帝国の慰安婦」で「慰安婦と日本軍が同志的関係にあった」などと記述したことで、元慰安婦に対する名誉毀損罪に問われています。

 ソウルで開かれた初公判で、検察側は「『自発的な売春婦』などと表現し、虚偽の事実を提示した」と主張。これに対して、朴被告側は「新しい見解を示しただけで、本の目的は公共の利益のためだ」として無罪を主張しました。

 「韓国で知られている情報は、支援団体に依存したものです」(朴裕河教授)

 朴被告は、陪審員が量刑に意見する「国民参加裁判」の実施を申請したほか、本をインターネットで無料公開する予定です。

 一方、刑事告訴した元慰安婦は、「著者は韓国に住む資格がない」と述べ、強い不快感を示しました。

 「強力な処罰が下されるべきです」(元慰安婦)

 裁判をめぐっては、韓国の大手紙が「学術書の評価は市民社会の議論に任せるべきだ」などと論評。有識者ら192人も、起訴に踏み切った検察の姿勢を批判する声明を出しています。(20日15:31)

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