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 セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、イオン――。カレーチェーンを全国展開する壱番屋(愛知県一宮市)が産業廃棄物処理業者に廃棄委託した冷凍カツがスーパーで今月中旬に見つかり、廃棄食品の横流しが発覚した。問題は大手コンビニやスーパーにも広がり、業界や行政は対応に追われている。

 「ダイコーに廃棄依頼されたすべての品が市場に流通した可能性も否定できない」。20日夕、岐阜県の担当者の表情は険しかった。

 壱番屋の冷凍カツに端を発する廃棄食品流通問題で、岐阜県は18日から連日記者会見を開く。愛知県稲沢市の産廃処理業ダイコーに冷凍カツの廃棄が委託され、横流しを受けたのが岐阜県羽島市のみのりフーズ。その施設から18日に見つかった108の食品について県は調査中だ。

 20日には、うち5社の関連7品が廃棄委託でダイコーに渡っていたと発表。流通大手イオン(千葉市)のプライベートブランド(PB)「チーズのでるソーセージ」「たけのこ土佐煮」、ニチレイフーズ(東京都中央区)のフライドポテト、今川焼き――。みのりフーズに横流しされた冷凍カツと同様の流れだ。

 県によると、みのりフーズを実質的に経営する岡田正男氏(78)は全108品をダイコーから入手したと話したという。冷凍庫では段ボール箱が崩れ、袋から出た食品が散乱。そこから転売された冷凍ビーフカツは、仲卸を経て東海地方のスーパーの店頭に並んだ。壱番屋が回収したものには、いったん解けて傷んだ恐れのあるものもある。