ティーショットを打つ前にキャディーがゴルファーの後ろからショットの方向をアドバイスする姿は、韓国のゴルフファンにとってはよく見る光景だ。韓国・米国・日本の女子プロゴルフではよく見られるシーンだろう。ショットをする前にキャディーがどけばルール違反ではない。
ところが、こうした慣行がゴルフのイメージをダウンさせ、スロープレーを助長する要因だという主張が飛び出した。米国の「ザ・ゴルフ・チャンネル」は19日、キム・シウ(20)が全米プロゴルフ(PGA)ツアーのソニーオープンでプレーする様子を例に挙げ、論争に火をつけた。「キム(Kim)がアライメント(alignment=打つ前に立った時の体の向き)論争を引き起こして注目を集めている」という見出しのコラムだ。
これに関するルールは「ゴルフ規則」第3章8-2「プレーの線の指示(Indicating Line of Play)」に記載されている。アライメントのためにクラブを置いてつま先が平行になるよう合わせたり、特定の物を持ってきて置いたりしてから打つと、2打の罰を受けることになる。2010年の韓国女子プロゴルフツアーでは、チップショットをする線上の周辺にキャディーバッグが置かれていたという理由で2打の罰を受けて優勝を逃した選手もいた。キャディーバッグが方向測定に使われる可能性があるという理由だった。
コラムでは「『女子はOKで男子はダメなのか』という男女差別の話ではなく、根本的に間違っていることはなくそうという話だ」と書いている。以前からこうした主張を展開してきローラ・デービース=英国=は「方向をつかむアライメントはゴルフの基本だ。(ゴルフ規則を定める)全米ゴルフ協会や英国ゴルフ協会がなぜ立ち上がらないのか分からない」と言った。ドッティ・ペッパー=米国=も「アライメントは選手が責任を負うべきゴルフの一部」という意見だ。ペッパーは「視聴者が見ていていい気分がしないだけでなく、ゴルファーが自分のゲームを主導できていないという印象を与える」と指摘した。
ザ・ゴルフ・チャンネルは「キム・シウは今後、優勝争いに加われば、頻繁に画面に映るだろう。そのたびに今のようにキャディーの助けを借りてアライメントをすれば、イメージは大きく損なわれる」と伝えた。