一審敗訴の『帝国の慰安婦』朴裕河教授、裁判員裁判を申請

本の内容をネットで無料配布

 著書『帝国の慰安婦』によって、旧日本軍の元慰安婦たちの名誉を傷つけたとして在宅起訴された世宗大学の朴裕河(パク・ユハ)教授(58)が、国民参与裁判(日本の裁判員裁判に相当)を申請した。

 朴教授はソウル東部地裁で行われる初公判を翌日に控えた19日、裁判所に国民参与裁判を申請したことをフェイスブックで公表した。実際に国民参与裁判を行うか否かは、裁判所が決定する。国民参与裁判は、一般市民が陪審員として裁判に参加し、有罪か無罪かの評決を下す制度だ。陪審員たちの評決は裁判官を拘束しない「勧告」的なレベルに留まり、裁判所は評決を検討した上で最終的な結論(判決)を下す。

 朴教授が国民参与裁判を申請したのは、今月13日に元慰安婦9人が起こした損害賠償請求訴訟の一審で朴教授側が敗訴したためとみられる。ソウル東部地裁はこの訴訟で「朴教授が本の中で虚偽の事実を記述し、元慰安婦たちの名誉を毀損(きそん)し、人格権を侵害した」として、朴教授に総額9000万ウォン(約875万円)の賠償金の支払いを命じた。

 朴教授はこの日、民事裁判の判決を「世論の裁判」とした上で、刑事裁判が「真の国民裁判になるよう願う」として、『帝国の慰安婦』の内容のファイルを無料で配布することを発表した。

シン・スジ記者
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