写真・図版 1月20日、米ゴールドマンが発表した第4・四半期決算は、3四半期連続の大幅減益となった。写真はニューヨーク証券取引所で2013年3月撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid)

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 [20日 ロイター] - 米銀大手ゴールドマン・サックス<GS.N>が発表した第4・四半期決算は、3四半期連続の大幅減益となった。住宅ローン担保証券(MBS)販売問題に絡み50億ドルの和解金支払いで合意したことが業績の圧迫要因となった。

 普通株主帰属の純利益は71.8%減の5億7400万ドル(1株当たり1.27ドル)。前年同期は20億3000万ドル(同4.38ドル)だった。

 トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめた1株利益の市場予想は3.53ドル。ただ現時点で比較可能かどうかは不明。

 訴訟関連費用が1株利益を3.41ドル押し下げた。

 営業経費は38%増の62億ドル。訴訟や規制関連で引当金19億5000万ドルを積み増したことが主因となり、報酬以外の費用は64%増の41億4000万ドルとなった。

 純収入は5.4%減の72億7000万ドル。株式、債券トレーディングが低調だった。

 債券・通貨・商品(FICC)トレーディング収入は11億2000万ドルと、金融危機に直面した2008年第4・四半期以来の低水準。ただ収入全体に占める同収入の割合は15%で、当初の40%からは低下している。

 投資銀行収入は7.4%増の15億5000万ドル。 

 2015年の株主資本利益率(ROE)は7.4%。30%前後だった金融危機前の水準を大きく下回っている。

 銀行は通常、資本コストを手当てするため、最低10%のROEを確保する必要があるとされる。

 また給与や報酬手当てが総収入に占める割合は28.3%と、前年同期の25.4%から上昇した。銀行業界ではコスト削減の動きが広がっているが、ゴールドマンはこの流れに逆行している格好だ。

 ゴールドマン株は、序盤の取り引きで1%近く下げている。