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遺産の現金2億円、自宅に隠す 脱税容疑で姉妹ら告発

朝日新聞デジタル 1月21日(木)2時11分配信

 ドライブインを経営していた母親の遺産相続にからみ、自宅に現金約2億円を隠して脱税したとして、名古屋国税局は、長女でドライブイン運営会社元代表の平井幸子相続人(67)=愛知県安城市=ら男女3人を相続税法違反容疑で名古屋地検に告発した。脱税額は約5千万円に上るという。3人は容疑を認めているとされ、地検は在宅起訴するとみられる。

 ほかに告発されたのは、次女の主婦松山敬子相続人(65)=愛知県西尾市=と、夫のリサイクル会社社長松山和彦相続人(70)=同。昨年6月から名古屋国税局の査察(強制調査)を受けており、平井相続人は国税局に「現金で隠せば税務署にばれない」と話しているという。

 関係者によると、3人は母親が2013年10月に84歳で亡くなった後、安城市や西尾市にある土地や建物など総額約5億円相当を相続。うち現金約2億円を、長女の平井相続人と次女の松山相続人が自宅の押し入れや床下の収納箱、寝室などに隠し、相続税計約5千万円を免れた疑いがある。

 母親は生前、ドライブインの利益の一部を「タンス預金」にしていた。姉妹は母親の死去前、隠した約2億円のうち6千万円ずつ受け取り、残りは母親が平井相続人の自宅改築資金などに用意していたという。

 平井相続人が相続財産をごまかして税務署に申告。松山夫婦もその認識があったとされ、国税局は3人の告発に踏み切った模様だ。

 平井相続人らは国税局の指摘に応じ、納税したという。朝日新聞の取材に、平井相続人は「税について無知だった」、松山敬子相続人は「内緒の金でわからないと思った」とそれぞれ話した。

 ドライブインは1963年ごろ、姉妹の両親らが安城市の国道沿いに開店。24時間営業の食堂がトラック運転手らでにぎわったが、十数年前に閉店。その後、平井相続人が近くで運転手向け休憩所の運営に携わっていた。

朝日新聞社

最終更新:1月21日(木)2時11分

朝日新聞デジタル

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