皇室の医務を指揮する前皇室医務主管で東京大学名誉教授の金沢一郎(かなざわ・いちろう)さんが20日、膵臓(すいぞう)がんで死去した。74歳だった。名誉大学院長を務める国際医療福祉大学と親族が後日、合同で葬儀を行う予定。

 2002~12年、宮内庁の皇室医務主管を10年間にわたって務めた。在任期間中の03年1月と12年2月、天皇陛下の前立腺摘出手術と冠動脈バイパス手術で、医療体制を整え統括した。天皇、皇后両陛下からの信頼も厚かった。06~11年には、日本学術会議の会長も務めた。

 また、神経内科が専門で14年に成立した難病患者を支援する法律には、対策委員長として関わった。