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スキーバス事故で犠牲 阿部真理絵さんの通夜1月20日 21時42分
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乗客乗員15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故で亡くなった早稲田大学の4年生、阿部真理絵さん(22)の通夜が、20日夜、さいたま市の寺で営まれました。
阿部さんは早稲田大学国際教養学部の4年生で、イギリスへの留学経験があり、将来、交通インフラの分野で日本の技術を世界に広めたいという夢を持ち、この春からは大手重工メーカーへの就職も決まっていました。
阿部さんの通夜は20日午後6時から、自宅があるさいたま市大宮区の寺で営まれました。
通夜に先立って会場が公開され、家族が選んだという真理絵さんが笑顔でケーキを食べようとしている写真や、着物姿の写真などが飾られていました。またその脇には、父親の知和さんが真理絵さんをしのんで書いたというメッセージが張り出され、「今でも思い出すのはイギリスで親子4人で暮らしていたころの記憶です。まだ中学生だった真理絵は、転校初日、ことばや文化の違いに悩み、泣きながら帰ってきました。しかし、翌日からはきちんと学校に通い、次第に新しい環境に慣れていき、いつもの笑顔に戻っていったのです。思えば、あのときから芯のある子だったと改めて感じています」と、イギリスでの生活を振り返っています。
そして、メッセージの最後では「未来に向かって夢を抱きしめ、瞳を輝かせていた真理絵。これからも私達の心の中であの子は生き続けます」と娘をしのんでいます。
大学や地元の友人は、写真を見たり、知和さんのメッセージを読んだりして阿部さんの突然の死を悼んでいました。高校の同級生で、同じ大学に通っていた男性は「真理絵さんはいつも明るく、みんなの中心にいる女性でした。事故がなぜ起こってしまったか分からず、バス会社には怒りを感じています」と話していました。また、高校と大学が同じだったという女性は、「真理絵さんは、明るくて優しい友達でした。事故で亡くなってしまったことが、まだ信じられません」と、涙ながらに話していました。
阿部さんの通夜は20日午後6時から、自宅があるさいたま市大宮区の寺で営まれました。
通夜に先立って会場が公開され、家族が選んだという真理絵さんが笑顔でケーキを食べようとしている写真や、着物姿の写真などが飾られていました。またその脇には、父親の知和さんが真理絵さんをしのんで書いたというメッセージが張り出され、「今でも思い出すのはイギリスで親子4人で暮らしていたころの記憶です。まだ中学生だった真理絵は、転校初日、ことばや文化の違いに悩み、泣きながら帰ってきました。しかし、翌日からはきちんと学校に通い、次第に新しい環境に慣れていき、いつもの笑顔に戻っていったのです。思えば、あのときから芯のある子だったと改めて感じています」と、イギリスでの生活を振り返っています。
そして、メッセージの最後では「未来に向かって夢を抱きしめ、瞳を輝かせていた真理絵。これからも私達の心の中であの子は生き続けます」と娘をしのんでいます。
大学や地元の友人は、写真を見たり、知和さんのメッセージを読んだりして阿部さんの突然の死を悼んでいました。高校の同級生で、同じ大学に通っていた男性は「真理絵さんはいつも明るく、みんなの中心にいる女性でした。事故がなぜ起こってしまったか分からず、バス会社には怒りを感じています」と話していました。また、高校と大学が同じだったという女性は、「真理絵さんは、明るくて優しい友達でした。事故で亡くなってしまったことが、まだ信じられません」と、涙ながらに話していました。
父親がコメント「自慢の娘だった」
今回の事故で亡くなった阿部真理絵さんの(22)父親の知和さん(56)が、通夜のあと報道各社の取材に応じ、用意したコメントを読み上げました。
「本当に明るく、誰とでも仲良くできる自慢の娘でした。真理絵は突然の事故により、非常に短い人生を終えることになりましたが、多くの友人や恩師のお言葉を聞き、とても楽しく、充実した22年間を過ごせたことが分かりました。今回の事故については、憤りを禁じ得ませんが、多くの報道を見ていると、今の日本が抱える、偏った労働力の不足や、過度な利益の追求、安全の軽視など、社会問題によって生じた、ひずみによって発生したように思えてなりません。今回の事故については、警察によって原因と責任の追及がなされ、また、行政による旅行業者の問題の洗い出しや、改善が行われることを期待しておりますが、すぐによくなるものではないと思っております。きょうも多くの若者がバスツアーに出かけているでしょう。ぜひ、自分の身は自分で守るということを考えてください。優先順位を間違えないこと、安全は『マスト項目』であり、費用削減は『ウォント項目』であることを冷静に考えてほしいと思います。今回の事故につながったツアーに関して、私たちは娘を信用しきって、内容をほとんど確認せずに参加させてしまいました。あとの祭りにはなりますが、『ツアーがどんな内容か』とか、『ちゃんとシートベルトを締めろよ』とかの声がけをすべきであったと悔いております。親兄弟、おじいちゃんおばあちゃんとして、子どもたちに何が大切なのかを気付けるような声がけをしてほしいと思います。お節介だとか、うざいとか思われるかも知れませんが、年長者の役割のように思っております。1月15日は、私たち家族やほかの遺族にとっては命日になりますが、報道関係者や旅行業者の関係者などにおかれましては、このような事故が起こらないように、毎年、何らかの発信、行動をなすようにしていただければ、今回の事故の犠牲者がみなさんの心の中に生き続け、安全に対する心のたがが緩むことを防げる一助になるのではないかと思っております」。
「本当に明るく、誰とでも仲良くできる自慢の娘でした。真理絵は突然の事故により、非常に短い人生を終えることになりましたが、多くの友人や恩師のお言葉を聞き、とても楽しく、充実した22年間を過ごせたことが分かりました。今回の事故については、憤りを禁じ得ませんが、多くの報道を見ていると、今の日本が抱える、偏った労働力の不足や、過度な利益の追求、安全の軽視など、社会問題によって生じた、ひずみによって発生したように思えてなりません。今回の事故については、警察によって原因と責任の追及がなされ、また、行政による旅行業者の問題の洗い出しや、改善が行われることを期待しておりますが、すぐによくなるものではないと思っております。きょうも多くの若者がバスツアーに出かけているでしょう。ぜひ、自分の身は自分で守るということを考えてください。優先順位を間違えないこと、安全は『マスト項目』であり、費用削減は『ウォント項目』であることを冷静に考えてほしいと思います。今回の事故につながったツアーに関して、私たちは娘を信用しきって、内容をほとんど確認せずに参加させてしまいました。あとの祭りにはなりますが、『ツアーがどんな内容か』とか、『ちゃんとシートベルトを締めろよ』とかの声がけをすべきであったと悔いております。親兄弟、おじいちゃんおばあちゃんとして、子どもたちに何が大切なのかを気付けるような声がけをしてほしいと思います。お節介だとか、うざいとか思われるかも知れませんが、年長者の役割のように思っております。1月15日は、私たち家族やほかの遺族にとっては命日になりますが、報道関係者や旅行業者の関係者などにおかれましては、このような事故が起こらないように、毎年、何らかの発信、行動をなすようにしていただければ、今回の事故の犠牲者がみなさんの心の中に生き続け、安全に対する心のたがが緩むことを防げる一助になるのではないかと思っております」。