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 日本株の下落が止まらない。前年末の終値と比べると、日経平均株価は2600円超値下がりした。原油安で産油国のお金が株式市場から逃げ足を強め、短期的な投機筋も売りに走っているためだ。株価値下がりを期待して取引する「空売り」は過去最高水準が続いている。

 「クルマに例えるなら、相場は300キロで走っている感じ。値下がりのスピードが急すぎて制御できない」。都内の証券会社で働くチーフディーラーは、最近の株式市場に戸惑いを隠せない。「投資家がリスクを避けるために株を売る。すると、別の投資家も株を売る。悪循環だ」

 年明けから続く世界的な株安の連鎖。日経平均は年明けからの12営業日のうち、値上がりしたのは2日に過ぎない。原油価格が急落し、産油国の財政が悪化したことで、産油国の政府系ファンドが株を売っているのが主因だ。相場の値動きに関係なく持ち株を売ってお金に換えることから「実需筋」と呼ばれる。