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鳴潮
1月20日付
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 そんなの昔から決まっているじゃないか、と言ってしまえばそれまでである。とはいえアイドルとはいかに切ない稼業か。人気グループ「SMAP」の解散騒動に思う

 SMAPの“存続宣言”と同じ日、アイドルグループの元メンバーで、所属していた芸能プロダクションから損害賠償を求められた女性の判決が、東京地裁であった

 男性ファンと交際したのは契約違反と訴えられた。裁判所は賠償の必要性を認めず、「幸福追求の自由を著しく制限している」と、契約自体を疑問視した。昨年9月の同様の訴訟とは逆の結果となったが、この判決でにわかに芸能界の慣行が変わることはあるまい

 業界、事務所、ファン…。さまざまな思惑や期待を背負ったアイドルは、個人というより巨大な金の動く企業体である。いい悪いは別にして優先されるのは資本の論理

 アイドルである限り、幸福追求の自由の幾分かはあきらめて、木村さんや中居さんは、これからも木村拓哉や中居正広を演じ続けなければならないのだろう。「本当によかったの」と、本心を聞いてみたいところだ

 有力政治家も相次いで「存続はよかった」と、当たり障りのないコメントを出した。政党の離合集散があったとて、社会現象になったSMAPほど国民の話題に上らない政治の貧困を、少しは嘆いてみてはどうか。

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