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【「SMAP」 各社コラム】 北海道新聞 河北新報 千葉日報 山陰中央新報 徳島新聞 中国新聞


【北海道新聞】<卓上四季>
■存続のムコウ 

 ファンはホッとしただろう。分裂や解散が取り沙汰されていた人気グループ「SMAP」が存続を決めた▼5人で登場しても絵になるし、1人でも個性豊かな俳優や司会者として安心して見ていられる。後輩の嵐やV6が人気で迫っても存在感は薄れていない。今の形に全員が納得しているのなら、それに越したことはないのだが▼CDデビューした25年前は音楽番組の衰退期。メンバーがかつて「ライブで客がゼロの時もあった」と述べていた。アイドルながらバラエティーの分野に踏み込み、活躍の場が広がったのはよく知られている▼SMAPは「Sports Music Assemble People」(スポーツと音楽を融合する人々)の頭文字を取った。異質なものを取り込む柔軟さが今の地位にある理由の一つだろう▼代表曲「世界に一つだけの花」は学芸会の定番である。求めるのはナンバーワンよりオンリーワン―。歌詞がどれだけの子どもの心に灯をともしたことか▼気になったのは、存続を表明したテレビ番組でのメンバーの硬い表情だ。………(2016年1月20日)<記事全文>


【河北新報】<河北春秋>
■芸能界に吹いた「解散」つむじ風 

 ここ1週間ばかり、アイドルグループ「SMAP」の解散騒動が国民的関心事になった。所属事務所から独立するのしないのと報じられ、日本中が大騒ぎ。芸能界のことだ。不倫しようが離婚届を「卒論」と言おうが構わないが、このビッググループの扱いは別格だ▼東京パラリンピックのPR役を務めており、五輪相が「解散しないで」と発言。政財界が動いているという報道もあった。18日にメンバーが生出演したテレビ番組は、最高視聴率が37.2%。SMAPブランドはとてつもなく大きいことがよく分かった▼タレントとは才能や技量の意味。5人それぞれが魅力的なタレントを持っているものの、分裂してしまったら…。ファンがCD購買運動をしたという。聴くべき声がよく分かったのではないですか▼新年早々、芸能界に吹いた「解散」つむじ風。よもや政界の気流に影響しないとは思うが。夏の衆参同日選の可能性が取り沙汰されている。来春は消費税率が10%になる予定。その前の衆院解散はタイミングとして不思議でない▼連立パートナーの公明党が「(衆参)一緒に民意を聴くのはちょっと乱暴では」とけん制しているが、世論すら気にならないのが安倍さんのタレント。………(2016年1月16日)<記事全文>

【千葉日報】<忙人寸語>
■いろいろあって当然だ 

▼1977年に発表され、世界で2千万枚売れた名曲「ホテル・カリフォルニア」を制作した米国のバンド、イーグルスのメンバー、グレン・フライさんが18日、他界した

▼「後でおまえを殴れると思うとゾクゾクするぜ」。ライブでこの曲のハイライトであるギター2本で競うソロパートを演奏しながら、メンバー同士は舌なめずりしていた

▼元メンバー、ドン・フェルダーの自伝によれば、グループの内部は商業的に成功すればするほど軋轢(あつれき)が高まった。結局、活動11年間で解散。こんなケース、欧米では珍しくない

▼一方、分裂の可能性があった日本の国民的アイドルグループ「SMAP」が18日夜、20年以上続くテレビの冠番組で活動継続を表明した。スタッフ去就との関連などが取りざたされるが、活動開始から約30年。成功を手に入れ、成熟すれば、ビジネス面も含め、いろいろあって当然だ。むしろ脱退、結婚、逮捕、飲酒トラブル…など“空中分解”の危機をよくぞ乗り越えてきた………(2016年1月20日)<記事全文>


【山陰中央新報】<明窓>
■ 個人戦の40代
 

 「あれから僕たちは何かを信じて来れたかな 夜空の向こうには 明日がもう待っている」-。国民的人気グループ「SMAP」の代表曲「夜空のムコウ」の歌詞が、今となっては意味深に思える。メンバー5人のうち、木村拓哉さん(43)を除く4人が事務所を退き独立へ、というニュースが列島を駆け巡った。結成30年目。彼らは今、何を信じ、求めているのだろう▼SMAPを長年担当しバラエティーや司会など、新たなアイドル像を演出したマネジャーが事務所を退く予定で、4人は追随すると報じられた。自信とマネジャーへの信頼があればこそだが、現在の居場所に安住せず、新たな一歩を踏み出すのは勇気がいる▼香取慎吾さん(38)以外は40代。一般の男性なら職場で管理職になったり、家庭では父親として思春期の子どもに向き合ったりと、それまでとは違う役割や能力が求められる。「不惑」の年代ともいわれるが、悩みは尽きない………(2016年1月19日)<記事全文>


【徳島新聞】<鳴潮>
■ アイドルとはいかに切ない稼業か
 

 そんなの昔から決まっているじゃないか、と言ってしまえばそれまでである。とはいえアイドルとはいかに切ない稼業か。人気グループ「SMAP」の解散騒動に思う

 SMAPの“存続宣言”と同じ日、アイドルグループの元メンバーで、所属していた芸能プロダクションから損害賠償を求められた女性の判決が、東京地裁であった

 男性ファンと交際したのは契約違反と訴えられた。裁判所は賠償の必要性を認めず、「幸福追求の自由を著しく制限している」と、契約自体を疑問視した。昨年9月の同様の訴訟とは逆の結果となったが、この判決でにわかに芸能界の慣行が変わることはあるまい

 業界、事務所、ファン…。さまざまな思惑や期待を背負ったアイドルは、個人というより巨大な金の動く企業体である。いい悪いは別にして優先されるのは資本の論理

 アイドルである限り、幸福追求の自由の幾分かはあきらめて、木村さんや中居さんは、これからも木村拓哉や中居正広を演じ続けなければならないのだろう。「本当によかったの」と、本心を聞いてみたいところだ………(2016年1月20日)<記事全文>

【中国新聞】<天風録>
■ 歌の力
 

 「何があっても前を見て進みたい」という宣言にほっとした。SMAPの5人が民放番組に生出演して騒動を口々にわびた。列島寒波の夜、解散回避の報はファンの心を温めたに違いない▲イラク戦争で揺れた2003年の「紅白」を思い出す。やはり緊張の面持ちで、大トリの5人は言葉を順に口にした。ことし多くの命が失われたこと。みんなが全ての人に優しくなれたら、幸せな未来が来ると信じること―。続く熱唱が胸に響いた▲そう、あの「世界に一つだけの花」である。ナンバーワンよりオンリーワンと語り掛ける歌こそ、結成以来の危機を救ったのかもしれない。CDを再び買い、歌い続けてと願う運動が絡み合ったあつれきを解いた面も▲「SMAP存続」はアジアにビッグニュースとして速報され、安堵(あんど)の声が広がったらしい。何かと角突き合わせる国同士とは別に、若い世代の心が一つになっている証しだと受け止めたい。………(2016年1月20日)<記事全文>

2016/01/20 11:42

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