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壱番屋製以外も転売 みのりフーズ、賞味期限切れ品を

 カレーチェーン大手「CoCo壱番屋」を運営する壱番屋(愛知県一宮市)が廃棄を依頼した冷凍カツが不正に横流しされた問題で、食品卸売業「みのりフーズ」(岐阜県羽島市)の実質経営者(78)は十八日、廃棄物処理業「ダイコー」(愛知県稲沢市)から購入した壱番屋製以外の賞味期限切れの食品についても、大半は愛知県の仲介業者などに転売したと明らかにした。

 岐阜県のこれまでの立ち入り調査で、みのりの冷凍室からは壱番屋製の冷凍カツ以外に、多くが賞味期限切れだった炭火焼き鳥ももやビンチョウマグロ、骨付きフライドチキン、ゴボウの空揚げを発見。これらの食品も過去に転売された可能性があるとみて岐阜県が製造元や流通経路を調べているが、壱番屋製カツ以外の流通先は不明だった。

 本紙などの取材に、みのりの実質経営者は「マグロは試食したが、十分食べられるものだったので買ったが、あまり売れなかった。空揚げは知り合いの弁当店にも売ったが、とても人気があった」などと語った。さらに「みそ漬けのもとや食べ物に塗るみそ、パンや菓子も少しダイコーから買った」とも明らかにした。

 本紙の取材では、ダイコーは壱番屋以外にも、全国の冷凍食品や調味料、総菜メーカー、物流会社など数十社から、市場に出せなくなった食品の処理を委託されていたことが分かっている。愛知県への報告では全量を堆肥化したことになっている。

◆愛知県が産廃53業者を立ち入り検査

 冷凍カツの不正な横流し問題を受け、愛知県は十八日、食品メーカーなどから市場に出せない食品の処理を委託されている県内五十三の産業廃棄物処理業者を対象に、一斉に廃棄物処理法に基づく立ち入り検査を始めた。大村秀章知事が定例会見で発表した。

 焼却や発酵処理をしている施設を調べ、産廃管理票(マニフェスト)通り適正に処分されているか、冷凍食品が大量に保管されていないかなど、実態を調べる。一両日中に終える。

 マニフェストは、廃棄物の適正処理をチェックするために導入されたが、大村知事は「マニフェストが悪意で偽造されてしまえば見抜くのは至難の業。警察の捜査により解明するしかないのではないか」との認識も示した。

 大村知事は「食品に対する信頼、県民の安心・安全を揺るがす大変な問題。流通の実態を解明し、厳正に対処する」と述べた。「壱番屋は被害者だが、日本を代表するカレーチェーンで、社会的な責任は重い。なぜこんなことになったのか、壱番屋も検証し、再発防止策を講じてほしい」とも求めた。

 

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