「帝国の慰安婦」著者が無罪主張 名誉毀損の初公判=韓国
【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題に関する著書「帝国の慰安婦」で慰安婦被害者の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)罪で在宅起訴された朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授(日本語日本文学科)の初公判が20日、ソウル東部地裁で開かれた。朴氏の弁護士は「慰安婦問題が長い間解決されず、新たな視点でアプローチしただけで、虚偽事実を書いていない。公共の利益のために本を書いた」と述べ、無罪を主張した。
朴氏は、一般国民が陪審員として意見を述べることができる「国民参与裁判」による審理を前日に申請した理由について、「裁判所が使命感と正義感を持っているという確信がないため」と説明した。
地裁は、検察と朴氏側が提出する新たな証拠を検討した上で、国民参与裁判を実施するかどうかを決定する。初公判は参与裁判の申請を受け、争点や証拠を整理する「公判準備手続き」として行われた。
朴氏は2013年8月、慰安婦被害者について「自発的な売春婦」「軍人の戦争遂行を手助けした」などと記述した「帝国の慰安婦」を出版。慰安婦被害者らは14年6月、朴氏を名誉毀損で告訴した。ソウル東部地検は昨年11月、虚偽の内容で被害者の名誉を傷つけたなどとして、朴氏を在宅起訴した。
朴氏は裁判所を出た後、報道陣に対し「韓国はこの20年余り、慰安婦問題について支援団体からの情報に依存してきた。謝罪と補償をめぐって日本が何をし、何ができなかったのかに対する単一の考え方だけが(韓国社会には)あった」と指摘した。その上で、「『別の考え方』が慰安婦問題の解決にどう役立ち得るのかを考えてほしい。討論により皆さんが結論を出してほしい」と強調した。
朴氏は「帝国の慰安婦」をオンラインで無料配布する計画だ。
一方、裁判所を訪れた慰安婦被害者2人も取材に応じ、名誉回復のため朴氏を厳しく処罰すべきだと訴えた。
「帝国の慰安婦」をめぐっては、慰安婦被害者が朴氏に損害賠償を求める民事訴訟を起こし、ソウル東部地裁が今月13日、一部表現が被害者の名誉を傷つけたとして朴氏に計9000万ウォン(約870万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。
裁判所で報道陣に取り囲まれる朴氏=20日、ソウル(聯合ニュース)
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