ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題で、韓国環境部(省に相当)は19日、同社の韓国法人アウディフォルクスワーゲンコリアのタンマー社長(写真)をソウル中央地検に刑事告発した。VWが今月初めに提出したリコール(無料の回収・修理)計画書が不十分で、リコールを義務付けている大気環境保全法に違反していると指摘した。
VWは一部のディーゼル車に違法なソフトを搭載し、排ガス試験のときだけ有害物質の排出量を低く抑えていた。環境部によると、VWはリコール計画書にこうした「欠陥」の原因を明示せず、改善計画についても十分な記述がなかったという。
大気環境保全法では、環境部のリコール命令を受けた企業は具体的な計画を作成し、同部長官の承認を得ることになっている。
VWは30-40ページに及ぶ計画書で「欠陥の原因を1行しか書いていない」(環境部関係者)という。VW側は「ドイツ本社がまだリコール計画を確定していない」という理由で、原因や改善計画を具体的に記述しなかったとされる。