日本経済新聞(10月17日付)が
政府は2016年2月から企業の女性活躍の取り組みを比較できる形で情報公開する。
と報じていました。比較公表される項目には、管理職の割合や採用者に占める割合などが想定されているとのことです。
教育社会学によると、興味・適性の生まれつきの男女差は存在しないそうなので、真の男女同等化が実現すれば、あらゆる産業の就業者の男女比はほぼ1:1になるはずです。
理系への興味(適性)の男女差は、生まれながらにして決まっている? トンデモナイ。「社会的」なものなんですよ、やっぱり。人間は「社会的」につくられる。これは、私が専攻する教育社会学の基本的なテーゼです。
現在男女比が男に偏っている産業ほど、女が参入して「輝く」余地が大きいと考えられます。
などが、現在性差別が激しい、裏返すと女の参入余地が大きい産業です。
鉱山労働者、土木作業員、トラック運転手、漁師などは現在「男の仕事」のイメージが強いものの、これは「社会的につくられた」ものなので、幼少時から「女も土木作業員になって輝こう」という教育によって矯正すればよいでしょう。
一方、幼児保育や老人介護は女が多い職種ですが、これは多くの男がこの分野で「輝く」機会を奪われていることを意味します。女を保育や介護から土木作業員やトラック運転手に誘導することで、保育や介護で輝く男が増えるはずです。
なお、小1の時点で既に「将来就きたい職業」に男女差が見られることからは、幼少期に親や社会から性差別的なメッセージを受け取っていることが示唆されます(トンデモナイことです)。女児がほとんど志望しないスポーツ選手や消防・レスキュー隊、エンジニアを志望する「歪んだ」男児にも、早期の矯正(看護師、保育士、花屋等への誘導)が必要でしょう。
女の土木作業員や男の介護ヘルパーが増えれば、リベラルが夢見る理想の社会が実現するでしょう。これが日本の進む道です。*1
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シモーヌ・ドゥ・ボーヴォワールは『第二の性』というベストセラーで「女は作られる」というキャッチフレーズを掲げ、社会の慣習、男や権力の押しつけによって女らしさが人為的に形作られると主張した。そういった面があることは否定できないが、それが女らしさを作る一番重要な要因とはとうてい考えることはできない。
人間は社会をどのようにも変えられるという考えがあるが、これは知られている限りでは長期的に成功した試しがない。
虐待を行った職員は282人で、男性が約52%、女性が約48%。介護従事者全体の約8割は女性で、虐待者に占める男性の割合の高さが目立った。
理不尽な「女尊男卑」に苦しむ男性保育士は多い。
男性保育士は保育の現場に着実に進出しているが、それでも「男性」というだけで変な目で見られることは少なくない。
参考:男女平等が進んだ北欧
*1:「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉もありますが。