こんな記事があったので、
関連しそうなノルウェーの研究を紹介します。
Imagine the following scenario: a woman and a man are having a conversation. She is interested in the conversation, and is friendly, smiling and warm. He interprets her behaviour as sexual interest.
↑ ありがちなシチュエーションですが、これは進化の産物ということです。
In most areas of psychology, … men and women are all more or less the same. But when it comes to reproduction and challenges related to finding a sexual partner, there are suddenly differences to be found.
ハートマークの解釈の男女差は、性(生殖)と関係する分野では男女の心理に大きな違いがあることに起因すると考えられます。また、性(生殖)に関する男女の心理の違いは、精子と卵子の稀少性の差、子を産むコストの差(あるいは妊娠リスクの有無)に起因すると考えられます。女は男に比べて慎重に相手を選ぶ必要があるため、相手を受け容れる心理的ハードルが高くなるようになったというわけです。*1
Across thousands of generations, women’s psychology has evolved to set the bar higher, which means they need much clearer signals than men before they consider sex.*2
一方、男は
- 女がハードルを高く設定している。
- 男にとって、個々のチャレンジの成功確率が低くなる。
- 男はチャレンジの回数を増やす「下手な鉄砲も数撃てば当たる 」戦略が合理的になる。
- チャレンジの回数を増やすために、性的意図を持ったアクションを起こす心理的ハードルが低くなる。
というわけです*3。男女がそれぞれ異なった心理的ハードルを設定することが、社会全体では十分な数の男女のカップリング成立につながっています。
問題は、近年、"politically correct"あるいは"empathetically correct"が社会に浸透することで、男の「勘違い」を罪悪視する傾向が強まっていることです。確かに女にとって男の「勘違い」は鬱陶しいわけですが、その「鬱陶しさ」は、子供がうるさいことと同様の生物学的な自然です。子供を無理やり黙らせることが健全な発育を妨げるように、男の積極性を抑圧することは、カップリング成立数の減少→少子化につながってしまいます。*4
平和な社会では、リスクを好まない女的価値観が支配的になるのかもしれませんが、それが行き過ぎると、新陳代謝が止まってしまいます。男女関係においても適度なリスクを許容しなければ、リターン(次世代)が得られず、日本社会は縮退を止められないでしょう。「希望出生率1.8」の実現には、男女関係における過剰コンプライアンスの見直しが必要でしょう。*5