クルーグマンが日本経済を金融政策によって復活させることに弱気になってきた一因は、人口動態にあります。
http://krugman.blogs.nytimes.com/2015/10/20/rethinking-japan/
But what is this future period of Wicksellian normality of which we speak? Japan has awesomely unfavorable demographics:
Japan looks like a country in which a negative Wicksellian rate is a more or less permanent condition.
If that’s the reality, even a credible promise to be irresponsible might do nothing: if nobody believes that inflation will rise, it won’t.
ロイターのコラムニストも同様です。
アジア、特に中国と日本では、金融政策が埋めようとして埋め切れていない不足分は、人口動態によるものだ。つまり、人口減少を原因とする「穴」である。
中国が日本を前例として参考にするならば、人口減少を原因とする「穴」を金融政策で埋めようとするのは非常に難しいということを悟ることになろう。
今後の人口動態を見れば、悲観的にならざるを得ないでしょう。*1
65歳以上人口の増加はほぼ止まりますが、20~64歳人口は急激に減少していきます。
安倍総理大臣は2020年までに出生率1.8を目指すとしていますが、20~64歳人口がほぼ確定している20年後の2035年には2015年比17%減(年率-0.9%)です。2060年には2015年比42%減(年率-1.2%)と壊滅的状況が待っています。
前期高齢者(65~74歳)を現役世代に組み入れたとしても大勢は変わりません。2035年は2015年比16%減(年率-0.9%)、2060年は2015年比40%減(年率-1.2%)です。
(↓ このような社会がまともに機能すると思えるでしょうか?)
安倍首相の「女性が輝く」も、期待されるような出生率引き上げにはつながらないでしょう。出生率低下の根本原因は男女同等化だからです。穴を埋めるというより掘ることになりかねません。
人口の「穴」を埋めるとすれば大規模な移民ですが、
巨大な副作用が生じることは確実です。しかも元には戻せません。
「1億総活躍」どころか「1億火の玉」となって燃え尽きる未来が待っているようです(第三次ポエニ戦争?)。