ケルン暴行事件 難民申請者22人が関与の疑い
【ブリュッセル斎藤義彦】ドイツ連邦警察は8日、昨年の大みそかの夜から元旦にかけ、独西部ケルンの中央駅周辺で起きた暴行や窃盗事件に22人の難民申請者が関与した疑いがあると発表した。中央駅周辺では女性がアラブ系と見られる男らに集団で性的嫌がらせを受けたとして社会問題化し、難民の送還議論が高まっている。
連邦警察によると事件に32人が関与した疑いがあり、うち22人が難民申請者だという。32人の国籍は▽アルジェリア9▽モロッコ8▽イラン5▽シリア4−−など。今回の発表には性的暴行は含まれていない。
一方、内務省の発表や報道によると中央駅周辺での事件について約170件の告発があり、100件以上が性的暴行に関するものだという。
ドイツでは大みそかの夜に花火を打ち上げる習慣があるが、報道によると、中央駅周辺に集まった約1000人の男が、女性に向けて花火に火をつけたり、性的な嫌がらせをしたりしたという。
メルケル首相は8日、難民が罪を犯した場合に早期送還する法改正を「考慮せざるを得ない」と述べた。
事件に関しては、警察の初動が遅れ、暴行を阻止できなかったとして当局に対する抗議デモも続けられている。批判を受けケルン警察長官が8日、更迭された。ケルン中央駅前には大聖堂と広場があり、観光名所になっている。