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Think outside the box

Unus pro omnibus, omnes pro uno

リッチ女性の「美味しい男」獲得競争がもたらす非婚化・少子化

人口・少子化

5/9の記事【女性手帳バッシャーが見たくない「不都合な真実」】で「非婚化の背景には女の高望みがある」と書いたことの追加説明です。

非婚化や少子化の理由を考える際には、「なぜ結婚・出産しなくなったのか」よりも「なぜ昔は結婚・出産していたのか」と問うことが有効です。結婚や出産(子供を持つこと)の必要性低下という構造的要因が明らかになります。以下、生存に不可欠の「食べること」にたとえて説明します。

人間は食べなければ死んでしまうので、 他に選択肢がなければどんなに不味いものでも食べます。生まれた時からそのような状態に置かれていれば、その味が普通であり、「不味い→食べたくない」とは認識しないでしょう。

しかし、豊かになって美味しいものを食べられるようになると、それまで食べていた食べ物を不味いと認識するようになります。生まれた時から美味しいものを食べていた人に不味いものを食べさせようとしても拒否されるだけでしょう。

食べる人=女、食べ物=男に置き換えれば非婚化を説明できます。

男女雇用機会均等以前は、一部の職業を除くと女が生涯にわたって生計費を稼ぐことは困難だったため、生存のためには「永久就職」が必要でした(結婚が女の生存戦略)。男女差別することで女を強制的に結婚に仕向ける強制装置が作動していたわけです。この状況では女には選択肢がないため、「不味い」男とでも結婚するしかありませんでした(95%強が結婚)。というより、そのような男でも「不味い」とは認識されなかったのです。

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ところが明らかな人権侵害である雇用差別が撤廃されたことにより、女は永久就職を強制されなくなりました(女性解放!)。「食べなくても死なない」体になったようなものです。こうなると自分の味覚を満足させてくれる「美味しい男」でない限り食べない=結婚しないのは当然です。その結果、昔はファストフードレベルの男でも結婚対象として合格してたのが、今ではそこそこのレストランレベルでないと合格できなくなってしまったのです*1

問題は、女の要求水準の上昇に合わせて男の水準は上昇しないことです*2。そのため、不合格となる男と、「美味しい男」の獲得競争に敗れる女が必然的にあぶれます。これが非婚化ということです(「食べなくてもいいや」という女もいます)*3。 


グラフで見る非婚化の構図 - Think outside the box

この構造を踏まえて出生率引き上げ策を考えると、

  1. 女に高望みを諦めてもらう(食わず嫌いなだけかもしれない/父親も「不味い男」だったかもしれない)
  2. 結婚した女に多くの子供を産んでもらう(←非婚者も子育て費用を分担)
  3. 一夫多妻

などが挙げられますが、いずれも価値観の大変革が必要となります(どれかを推奨しているわけではありません)。少子化対策はそう容易いものではないのです。


結婚相手が不足する上の女と下の男 - Think outside the box 

 


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*1:女の要求水準が厳しくなったことが一部の男を委縮させ、レベル低下に追い込んでいる可能性があります。根拠のない自信を持てた昔の男は幸運でした。これについては世代間の不公平が存在します。

*2:「自分を高める女」対「旧態依然の男」と男をバッシングする論者がいますが、男には女のような上昇余地はなかったので批判は当たりません。

*3:国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」では、1995年生まれ女性コーホートの生涯未婚率を中位20.1%、低位26.2%と仮定しています。