琴奨菊、白鵬と全勝対決!日本出身力士10年ぶりVへ最難関

2016年1月20日6時0分  スポーツ報知
  • 琴奨菊(右)が寄り切りで鶴竜を破る

 ◆大相撲初場所10日目 ○琴奨菊(寄り切り)鶴竜●(19日・両国国技館)

 東大関・琴奨菊が自身初となる土つかずの10連勝を決めた。東横綱・鶴竜を寄り切りで圧倒し、11日目は同じく無敗を守った西横綱・白鵬と直接対決。2006年初場所の大関・栃東以来、10年ぶりとなる日本出身力士の優勝を引き寄せる。東横綱・日馬富士は東関脇・栃煌山を押し出しで退けて1敗をキープ。2敗で平幕の隠岐の海ら4人が追う展開で終盤戦に入る。

 横綱のプライドをねじ伏せた。鋭く立った琴奨菊は鶴竜の顔を左で張って、その腕を差し込んだ。自分の形に持ち込むと一気にがぶり寄った。土俵際で粘る横綱。それでも構わずに攻め寄り切った。3連敗中だった鶴竜を圧倒して、自身初の無傷10連勝だ。「準備と対策をしっかりしているから。満足している」と充実感をにじませた。

 プラス思考の調整法が躍進の原動力だ。食事に摂生を求めるのはアスリートの基本。「以前はめちゃくちゃ縛っていた」と話すが今は違う。「例えばジュース飲んでマイナス2点だとするでしょ? でもそれで気合が5点入るならプラス3点じゃないか」と持論を展開。細かく考えないことで、大事な場面でも動じない精神力が備わってきた。

 稽古でも無理はしない。この日は今場所中初めて朝稽古を休んだ。「腰がガチガチ。いろいろケアしないと」。今月30日で32歳を迎えるベテランらしく、自らの肉体と冷静に向き合って調整することで、終盤戦を迎えようとしている中でも好調を維持している。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「近年にない相撲なんじゃないか」と絶賛。06年初場所の栃東以来、10年ぶりの日本出身力士Vへ期待はふくらむばかりだ。11日目は過去4勝46敗の白鵬戦。理事長は「11日目に勝って、優勝決定戦への権利を得るくらいだ」と厳しい見解を示すが、琴奨菊に迷いはない。「自分を信じてしっかり準備して。やるべきことをやるだけ」。大きな壁を破り、一直線に賜杯まで突っ走る。(秦 雄太郎)

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