2012年~14年のランド円はだいたい9円~11円というレンジの中におさまった動きを続けていました。
ただ、2015年はアメリカの利上げがせまっており、ランドからドルへの資金の引き上げによるランド安が懸念されていて、FRBの動向を気にした状態で2015年へと入っていきます。
大きなテーマはアメリカの利上げによるランド安と、ランド安やインフレ率の上昇を抑えるための南アフリカ準備銀行(SARB)による利上げなどの施策がどう行われるかということ。
このテーマに注目しながら、2015年のランド円の相場について見ていきましょう!
2014年末は円安が続いた影響が大きく、ランド円は10円半ばという3年間のレンジ上限近くからのスタートとなります。
全体的に円安の勢いに支えられてランド円は高い水準を維持している形ですが、アメリカの利上げ期待が高まるなかドルストレートで見るとジリジリとランド安が進んでいる状態。
2015年に入って円安のペースが落ちると、ランド円もだんだんと頭が重い展開となっていきます。
最初に動きがあったのは、2月24日の南アフリカGDPが予想を大きく上回る好結果になったところがきっかけ。
これによって、短期的に上昇トレンドが出て、押さえられていたレジスタンスを抜きに行きます。
しかし、結局これを上に抜くことはできず、跳ね返されます。
特に2月、3月はアメリカの雇用統計が好結果でアメリカの利上げ期待は大きく高まっていました。
これを受けて、ドルストレートでの下落が進行し、そのままランド円は10円を割っていく展開になっていきます。
この流れは、3月18日のFOMCでイエレンFRB議長が利上げに対して否定的な発言をしたことで止まり、ランド円はいったん9円半ばで底を打った形となります。
いったんはアメリカの利上げ期待が後退したことで、ランド円は落ち着きを取り戻します。
再び年初のレンジに戻ろうとする動きも見せ、10円台に乗って年初の上値に迫ろうとする場面もありました。
この流れを切ったのは再びイエレンFRB議長の発言。
5月22日に「年内利上げが適切」という発言をしたことで、ドルストレートで下落が進む流れがスタートします。
この発言を受けて円安も進んでいたんですが、それ以上にランド安のスピードが早く、ランド円も下落が続きます。
FOMCの動向に注目が集まるなか、6月末にはギリシャ問題が発生。
これにより、リスク回避の流れが発生し円高の流れとなり、ランド円は大きく下落する流れのまま、下半期へ突入することになります。
ギリシャ問題によるランド円の下げで、9円半ばまで値を落とします。
問題が解決すると戻す動きが出ますが、10円になかなか乗せることができない状態で、ギリシャ問題前よりも1つ下の水準での動きとなっていきます。
そんななか、7月23日にSARBがついに利上げを実施します。
一時的にランドが上げる反応はありましたが、インフレ率が高止まりしていることのほうが材料視され、この動きは長続きしません。
結局ここから、ドルストレートの下落が始まって、ランド円は10円に届かない水準での推移が続くようになっていきます。
その後もランド主導でジリジリとランド円の下げが続き、ギリシャ問題後の下値、9円半ばまで到達します。
この下げのなか、中国株の暴落を迎えます。
一気にリスク回避の流れが進んで円高ドル高の流れとなり、ランド円は一気に下落し、2012年~14年のレンジ下限の9円を割り込んで8円後半まで到達しました。
いったんはランド円は値を戻しますが、中国による世界経済不安から、リスク回避の動きが加速し、新興国通貨であるランドもドルストレートで値を下げる動きが継続。
9月に入りランド円はランド主導での下げが続き、中国ショック直後の下値をさらに割り込んで、2009年の下値ライン8円半ばにもタッチする展開となりました。
こういった不安定な状況を見て、SARBは9月の会合では利上げを見送ります。
利上げ見送りを受けて再びランド主導での下げが起こりますが、ランド円は再び8円半ばのラインでは支えられる形となります。
この後もこのラインは強く意識されるラインになっていきます。
10月はじめのアメリカ雇用統計の結果は悪かったことなど、アメリカの利上げにマイナスのニュースが続きます。
これを受けて、ドルストレートでランドはいったん持ち直し、ランド円も短期的に上昇が続きます。
一時は9円に乗せる局面もありましたが、戻しはここまで、その後は再びランド主導の下げが続いて、8円半ばのラインへ迫っていきます。
11月はSARBの利上げの期待感もあり、いったんはこのラインで支えられます。
しかし、12月のアメリカの利上げがいよいよ現実味を帯びてくるなか、徐々にこのラインも抜かれてしまいそうな展開です。
そして、12月に大事件が起きます。
何と南アフリカの大統領が財務省を解任するという政治不安が発生し、これが強く嫌気されてドルストレートが暴落。
8円半ばのラインどころか、2008年10月につけた史上最安値を更新して7円半ばまで一気に値を落としました。
早い下げの動きだったので、いったんは戻す流れもありましたが、年末はこの7円半ばの水準で引けることになりました。
アメリカの利上げは2016年以降も続くことが予想されます。
新興国通貨であるランドには下げ圧力が強くかかる状況が続きそうな環境です。
これに対して、SARBがどこまで対抗できる施策を打てるか、というところにかかっています。
ランド円の水準を考えると、史上最安値を更新する位置にあり、このままどこまで下がるのかちょっと想像がつかない状態です。
余裕を持って運用している場合は別かもしれませんが、何かしらの底打ちサインが明確に出るまでは買い向かうのは少々怖いような気がします。
少年の心を忘れないアラサーリーマンです。将来を考えて給料だけでは不安だ、収入源を増やそうと100万円でFXを始めました。しかし、3ヶ月持たずに100万⇒15万へ減らし(涙) そこからFXの手法研究の日々を過ごし、ひと通りチャート分析手法を身につけます。が、それでも勝てず。結局、シンプルイズベストにして、トレンドに順張りする事に集中したら勝てるように。昨年も月単位で負けたのは2ヶ月で年間では本業と同じくらいの利益を出せるレベルまで来ました。僕が負け組初心者トレーダーから月10万円突破するまでに注意したポイントも紹介していますので是非チェックして下さい!⇒こちら
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