仮想通貨ビットコインの価格が1月15日、前日比で10%下落した。主要開発者の1人であるマイク・ハーン氏がブログ投稿において、ビットコインは「失敗した」との見解とともに、開発から離脱し、保有しているビットコインをすべて売却したと発表したことを受けての動きだ。
ハーン氏はビットコインの5人の主要開発者の1人。このWebベースの暗号通貨の開発に5年以上取り組んできた同氏が、もはや開発には関与しないとの意向を明らかにした。
「ビットコインが失敗に終わるかもしれないのは最初から分かっていたことだが、それでもやはり、いざ実際に失敗したと結論を下さざるを得ないのはとても悲しいことだ」と同氏はブログサービスMediumへの投稿で述べている。
ビットコインの生みの親とされる正体不明の「サトシ・ナカモト」氏は2011年、ギャビン・アンドレセン氏を後継者に指名し、開発から退いた。ビットコインの取引は“ブロック”単位で処理されるが、このブロックサイズを増量すべきか否かをめぐり、ハーン氏はアンドレセン氏とともに何カ月間も他の主要開発者と議論を戦わせていた。
現在ブロックサイズは1Mバイトに制限されているが、ハーン氏によれば、これは「完全に人為的な容量制限」であり、最近では取引の処理量は実質的に1秒当たり3件が限度だという。
ハーン氏とアンドレセン氏は昨年8月、現行のビットコインソフトウェアの代替版となる「Bitcoin XT」をリリースした。Bitcoin XTではブロックサイズが8Mバイトに増量され、毎秒最大24件のトランザクションを処理できる。Visaが毎秒約2万件を処理できるのと比べればまだごく小さな規模だが、ブロックサイズを毎年引き上げることでビットコインは成長を続けられるのだという。
だがハーン氏によれば、ビットコインを採掘してビットコインネットワークを支えるマイニング業者には、まだBitcoin XTは広く採用されていないのが現状だ。現在、ビットコインマイニング業者の過半数は中国を拠点としている。
また同氏によれば、ビットコインネットワークは取引量の増加に伴い、容量不足に陥る寸前だという。そうなれば、決済が滞り、詐欺が起こりやすくなり、ビットコインネットワークは信頼できないものになってしまう。
ハーン氏は昨年12月にReutersの取材に応じ、「ITシステムが容量不足の事態に陥れば、あらゆることがうまくいかず、大混乱となるだろう」と語っている。
同氏は、ビットコインコミュニティはコードの管理に失敗にしたとの考えだ。
「“システム上重要な機関”も“大きすぎてつぶれない”もない、分散型の新しい通貨になるはずだったものが、一握りの人たちによって完全にコントロールされる、さらに悪いシステムになってしまった」と同氏はブログで述べている。
copyright (c) 2016 Thomson Reuters. All rights reserved.
(翻訳責任について)
この記事はThomson Reutersとの契約の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。
(著作権、商標について)
ロイター・コンテンツは、トムソン・ロイター又はその第三者コンテンツ・プロバイダーの知的財産です。トムソン・ロイターから書面による事前承認を得ることなく、ロイター・コンテンツをコピー、再出版、再配信すること(キャッシング、フレーミング、又はこれらと同等の手段による場合を含む)は明示的に禁止されています。トムソン・ロイターは、コンテンツの誤謬又は遅延、或いはコンテンツに依拠してなされたあらゆる行動に関し一切責任を負いません。 Reuters(ロイター)及びReuters(ロイター)のロゴは、トムソン・ロイター及びその関連会社の商標です。ロイターが提供するその他のメディア・サービスについてお知りになりたい場合は、http://about.reuters.com/media/をご参照ください。
明治安田生命の新企業イメージCM「ささえあう幸せ」篇がWeb上で配信中。同社の“家族の幸せを一生涯支え続けたい”という想いを込めて制作したという。CMソングには、小田和正氏の楽曲「今日もどこかで」を採用。仲睦まじい夫婦の若かりし頃と現在の写真を通じて、ふたりが寄り添い、支えあって歩んできた姿や時間を想像させる内容となっている。