人気劇作家・本谷有希子さん芥川賞 滝口悠生さんとダブル受賞

2016年1月20日6時0分  スポーツ報知
  • 笑顔を見せる(左から)直木賞の青山さん、芥川賞の本谷さんと滝口さん

 第154回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は本谷有希子さん(36)の「異類婚姻譚」(「群像」11月号)と滝口悠生さん(33)の「死んでいない者」(「文学界」12月号)。直木賞は青山文平さん(67)の「つまをめとらば」(文芸春秋)に決まった。贈呈式は2月下旬に都内で行われる。賞金は各100万円。

 すでに人気劇作家として活躍している本谷さんは4度目の候補での受賞。専業主婦の主人公が、自分の顔が夫の顔そっくりになっている不気味さに気付くストーリーだ。選考委員の作家・奥泉光さんによると選考会では「説話の構造で夫婦間が巧みに描かれていた」と評価されたという。

 「芥川賞は作家にとっての餌のように感じる」と表現した本谷さんは「これまで激しい欲望を持った人を書き続けてきたが、今回の主人公はのらりくらり生きている人。(自分が)最近だらだらしているのが、そのまま出たと思います。でもまたすぐ激しくなると思います」と次作への意欲も示した。

 昨年10月には、夫の作詞家・御徒町凧(おかちまち・かいと)さんとの間に第1子となる女児が誕生。二重の喜びとなった。夫も作品を読んだそうだが「(主人公の夫とは)真逆だったのでがっかりしたと思います」と笑わせた。今後は「餌がなくても書けるのかな。書き続けるのが作家にとって大事で、それが試されると思う」と明かしていた。

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