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Exchange 2013 でのクライアントのネットワーク ポートとメール フロー

 

適用先:Exchange Server 2013

トピックの最終更新日:2015-04-27

このトピックでは、電子メール クライアント、インターネット メール サーバー、およびローカルの Exchange 組織の外部にある他のサービスと通信するために MicrosoftExchange Server 2013 によって使用される、ネットワーク ポートに関する情報を示します。その内容に進む前に、以下の基本ルールを理解している必要があります。

  • すべての種類のトポロジで、内部 Exchange サーバーの間や、内部 Exchange サーバーと内部 Lync または Skype for Business サーバーとの間、または内部 Exchange サーバーと内部 Active Directory ドメイン コントローラーとの間のネットワーク トラフィックを制限したり変更したりすることはサポートされていません。この種類のネットワーク トラフィックを変更する可能性のあるファイアウォールまたはネットワーク デバイスがある場合、これらのサーバー間での自由で制限されない通信を可能にするルール (ランダムな RPC ポートを含む任意のポートと、回線上のビットを変更しない任意のプロトコルで、ネットワーク トラフィックの受信と送信を可能にするルール) を構成する必要があります。

  • ほとんどの場合、エッジ トランスポート サーバーは境界ネットワーク内に存在するために、エッジ トランスポート サーバーとインターネットとの間、およびエッジ トランスポート サーバーと内部の Exchange 組織との間で、ネットワーク トラフィックを制限することが期待されています。これらのネットワーク ポートについては、このトピックで説明されています。

  • 外部のクライアントやサービスと内部の Exchange 組織との間で、ネットワーク トラフィックを制限することが期待されています。内部のクライアントと内部の Exchange サーバーとの間で、ネットワーク トラフィックを制限するように決定することも可能です。これらのネットワーク ポートについては、このトピックで説明されています。

目次

クライアントとサービスに必要なネットワーク ポート

メール フローに必要なネットワーク ポート (エッジ トランスポート サーバーがない場合)

エッジ トランスポート サーバーによるメール フローに必要なネットワーク ポート

ハイブリッド展開に必要なネットワーク ポート

ユニファイド メッセージングに必要なネットワーク ポート

電子メール クライアントがメールボックスや Exchange 組織内の他のサービスにアクセスするために必要なネットワーク ポートについては、次の図と表で説明します。

メモ:

  • これらのクライアントやサービスのための送信先は、クライアント アクセス サーバーです。これは、スタンドアロンのクライアント アクセス サーバー、または同じコンピューターにインストールされているクライアント アクセス サーバーとメールボックス サーバーとなる場合があります。

  • この図では、インターネットからのクライアントとサービスを示していますが、内部クライアントについても概念は同じです (リソース フォレスト内の Exchange サーバーにアクセスしているアカウント フォレストなど)。同様に、ソースは Exchange 組織の外部に存在する任意の場所 (インターネットやアカウント フォレストなど) とすることが可能なので、この表にはソースの列を示していません。

  • エッジ トランスポート サーバーは、これらのクライアントやサービスに関連付けられたネットワーク トラフィックと関係していません。

クライアントとサービスに必要なネットワーク ポート

 

目的 ポート コメント

暗号化された Web 接続は、以下のクライアントやサービスによって使用されます。

  • 自動検出サービス

  • Exchange ActiveSync

  • Exchange Web サービス (EWS)

  • オフライン アドレス帳配布

  • Outlook Anywhere (RPC over HTTP)

  • Outlook MAPI over HTTP

  • Outlook Web App

443/TCP (HTTPS)

これらのクライアントやサービスについて詳しくは、以下のトピックを参照してください。

暗号化されていない Web 接続は、以下のクライアントやサービスによって使用されます。

  • インターネット予定表の公開

  • Outlook Web App(443/TCP へのリダイレクト)

  • 自動検出 (443/TCP が使用できない場合のフォールバック)

80/TCP (HTTP)

できる限り、データと資格情報を保護するために、443/TCP での暗号化された Web 接続を使用することをお勧めします。ただし、一部のサービスでは、クライアント アクセス サーバーとの接続において、80/TCP での暗号化されていない Web 接続を使用するように構成されていることが必要な場合があります。

これらのクライアントやサービスについて詳しくは、以下のトピックを参照してください。

IMAP4 クライアント

143/TCP (IMAP)、993/TCP (セキュア IMAP)

IMAP4 は既定では無効になっています。詳細については、「POP3 と IMAP4」を参照してください。

クライアント アクセス サーバーの IMAP4 サービスは、メールボックス サーバーの IMAP4 バックエンド サービスに対する接続のプロキシとして動作します。

POP3 クライアント

110/TCP (POP3)、995/TCP (セキュア POP3)

POP3 は既定では無効になっています。詳細については、「POP3 と IMAP4」を参照してください。

クライアント アクセス サーバーの POP3 サービスは、メールボックス サーバーの POP3 バックエンド サービスに対する接続のプロキシとして動作します。

SMTP クライアント (認証済み)

587/TCP (認証された SMTP)

「Client Frontend <サーバー名>」という名前の既定の受信コネクタは、クライアント アクセス サーバー上のポート 587 で認証済みの SMTP クライアントの送信を待機します。

メモ:

認証済みの SMTP メールをポート 25 上でのみ送信できるメール クライアントを使っている場合、この受信コネクタのネットワーク アダプターのバインドの値を変更して、認証済みの SMTP メールの提出をポート 25 上で待機することもできます。

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Exchange 組織との間でメールが送受信される方法は、Exchange トポロジによって異なります。最も重要な要素は、境界ネットワークに展開された購読済みエッジ トランスポート サーバーがあるかどうかです。

クライアント アクセス サーバーとメールボックス サーバーだけを持つ Exchange 組織のメール フローに必要なネットワーク ポートについては、次の図と表で説明します。この図ではメールボックス サーバーとクライアント アクセス サーバーを別個に示していますが、クライアント アクセス サーバーとメールボックス サーバーのインストール先が同じコンピューターであっても、別個のコンピューターであっても、その概念は同じです。

メール フローに必要なネットワーク ポート (エッジ トランスポート サーバーがない場合)

 

目的 ポート ソース 宛先 コメント

受信メール

25/TCP (SMTP)

インターネット (任意)

クライアント アクセス サーバー

クライアント アクセス サーバーの「Default Frontend <Client Access server name>」という名前の既定の受信コネクタが、ポート 25 での匿名受信 SMTP メールを待機します。

メールは、同じ組織内の Exchange サーバー間でメールを自動的にルーティングする、暗黙的で不可視の組織内送信コネクタを使用して、クライアント アクセス サーバーからメールボックス サーバーに中継されます。

送信メール

25/TCP (SMTP)

メールボックス サーバー

インターネット (任意)

既定では、Exchange は、メールをインターネットに送信できるようにする送信コネクタを作成しません。送信コネクタは手動で作成する必要があります。詳細については、「送信コネクタ」を参照してください。

送信メール (クライアント アクセス サーバーを経由する場合)

25/TCP (SMTP)

クライアント アクセス サーバー

インターネット (任意)

送信メールは、Exchange 管理センターで [クライアント アクセス サーバー経由のプロキシ] を使用するか Exchange 管理シェル で -FrontEndProxyEnabled $true を使用して送信コネクタを構成しているときにのみ、クライアント アクセス サーバー経由でルーティングされます。

この場合、クライアント アクセス サーバー上にある「Outbound Proxy Frontend <クライアント アクセス サーバー名>」という名前の既定の受信コネクタが、メールボックス サーバーからの送信メールを待機します。詳細については、「インターネットへの電子メール送信に対応した送信コネクタの作成」を参照してください。

次のメール ホップ (ここでは示されていません) の名前解決の DNS

53/UDP、53/TCP (DNS)

インターネットに直接接続された Exchange サーバー (クライアント アクセス サーバーまたはメールボックス サーバー)

DNS サーバー

名前の解決」セクションを参照してください。

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基本的に、境界ネットワークにインストールされている購読済みエッジ トランスポート サーバーは、クライアント アクセス サーバー経由の SMTP メール フローを排除します。具体的には次のとおりです。

  • Exchange 組織からの送信メールは、クライアント アクセス サーバーを経由してフローしません。メールは常に、購読済みの Active Directory サイトのメールボックス サーバーから、エッジ トランスポート サーバーに (エッジ トランスポート サーバーの Exchange のバージョンには関係なく) フローします。

  • 受信メールは、スタンドアロンのクライアント アクセス サーバーを経由してフローしません。メールは、エッジ トランスポート サーバーから購読済みの Active Directory サイトのメールボックス サーバーにフローします。メールボックス サーバーとクライアント アクセス サーバーが同じコンピューターにインストールされている場合、Exchange 2013 エッジ トランスポート サーバーからのメールは、トランスポート サービスにフローする前に (メールボックス サーバーの役割)、最初にフロント エンド トランスポート サービスのコンピューターに到着します (クライアント アクセス サーバーの役割)。Exchange 2007 または Exchange 2010 のエッジ トランスポート サーバーは、メールボックス サーバーとクライアント アクセス サーバーが同じコンピューターにインストールされている場合でも、メールを常にトランスポート サービスに直接配信します。

詳細については、「メール フロー」を参照してください。

エッジ トランスポート サーバーのある Exchange 組織でのメール フローに必要なネットワーク ポートについて、次の図と表で説明します。別途記載されていない限り、クライアント アクセス サーバーとメールボックス サーバーが同じコンピューターにインストールされている場合も異なるコンピューターにインストールされている場合も、概念は同じです。

エッジ トランスポート サーバーによるメール フローに必要なネットワーク ポート

 

目的 ポート ソース 宛先 コメント

受信メール - インターネットからエッジ トランスポート サーバーへ

25/TCP (SMTP)

インターネット (任意)

エッジ トランスポート サーバー

エッジ トランスポート サーバーの「Default internal Receive connector <エッジ トランスポート サーバー名>」という名前の既定の受信コネクタは、ポート 25 での匿名の SMTP メールを待機します。

受信メール - エッジ トランスポート サーバーから内部 Exchange 組織へ

25/TCP (SMTP)

エッジ トランスポート サーバー

サブスクライブ先の Active Directory サイトのメールボックス サーバー

「EdgeSync - Inbound to <Active Directory サイト名>」という名前の既定の送信コネクタは、ポート 25 での受信メールを、購読済み Active Directory サイトの任意のメールボックス サーバーに中継します。詳しくは、トピック「エッジ サブスクリプション」の「エッジ サブスクリプション プロセス中に作成される送信コネクタ」を参照してください。

実際にメールを受信するサービスは、メールボックス サーバーとクライアント アクセス サーバーが同じコンピューターまたは別のコンピューターのどちらにインストールされているかによって異なります。

  • スタンドアロン メールボックス サーバー   「Default <メールボックス サーバー名>」という名前の既定の受信コネクタは、ポート 25 で受信メール (エッジ トランスポート サーバーからのメールを含む) を待機します。

  • 同じコンピューターにインストールされているメールボックス サーバーとクライアント アクセス サーバー   フロント エンド トランスポート サービス (クライアント アクセス サーバーの役割) の「Default Frontend <サーバー名>」という名前の既定の受信コネクタは、ポート 25 での受信メール (Exchange 2013 エッジ トランスポート サーバーからのメールを含む) を待機します。

送信メール - 内部 Exchange 組織からエッジ トランスポート サーバーへ

25/TCP (SMTP)

サブスクライブ先の Active Directory サイトのメールボックス サーバー

エッジ トランスポート サーバー

送信メールは常に、クライアント アクセス サーバーをバイパスします。

メールは、購読済み Active Directory サイトのメールボックス サーバーから、同じ組織内の Exchange サーバー間でメールを自動的にルーティングする暗黙的で不可視の組織内送信コネクタを使用して、エッジ トランスポート サーバーに送信されます。

エッジ トランスポート サーバーの「Default internal Receive connector <エッジ トランスポート サーバー名>」という名前の既定の受信コネクタは、ポート 25 で、購読済み Active Directory サイトのメールボックス サーバーからの SMTP メールを待機します。

送信メール - エッジ トランスポート サーバーからインターネットへ

25/TCP (SMTP)

エッジ トランスポート サーバー

インターネット (任意)

「EdgeSync - <Active Directory サイト名> to Internet」という名前の既定の送信コネクタは、ポート 25 で、エッジ トランスポート サーバーからインターネットへの送信メールを中継します。

EdgeSync 同期

50636/TCP (セキュア LDAP)

EdgeSync 同期に参加している購読済み Active Directory サイトのメールボックス サーバー

エッジ トランスポート サーバー

エッジ トランスポート サーバーが Active Directory サイトに購読されると、その時点でサイト内に存在するすべてのメールボックス サーバーが EdgeSync 同期に参加します。ただし、後に追加するメールボックス サーバーは、自動的に EdgeSync 同期に参加しません。

次のメール ホップ (ここでは示されていません) の名前解決の DNS

53/UDP、53/TCP (DNS)

エッジ トランスポート サーバー

DNS サーバー

名前の解決」セクションを参照してください。

送信者評価用のプロキシ サーバーの定義 (ここでは示されていません)

ユーザー定義

エッジ トランスポート サーバー

インターネット

送信者評価 (プロトコル分析エージェント) は、スパムを削減する取り組みの一環として、受信メッセージ パスを分析します。組織でプロキシ サーバーを使用してインターネットへのアクセスを制御している場合、送信者評価が正常に機能するためには、プロキシ サーバーについての詳細を定義する必要があります (特にオープン プロキシの検出と送信者のブロック)。Set-SenderReputationConfig コマンドレットの ProxyServerNameProxyServerPort、および ProxyServerType パラメーターを使用して、送信者評価がインターネットに正常に接続されるように組織のプロキシ サーバーを定義します。詳細については、「送信者評価の管理」を参照してください。

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次のメール ホップの DNS 解決は、すべての Exchange 組織においてメール フローの基本的な部分です。受信メールを受信または送信メールの配信を担当する Exchange サーバーは、適切なメール ルーティングを行うために内部および外部のホスト名を両方解決できなければなりません。また、すべての内部 Exchange サーバーは、適切なメール ルーティングを行うために内部ホスト名を解決できなければなりません。DNS インフラストラクチャを設計するにはさまざまな方法がありますが、重要なのは、次のホップの名前解決がすべての Exchange サーバーに対して適切に実行されるようにすることです。

Exchange 2013 と MicrosoftOffice 365 の両方を使用する組織に必要なネットワーク ポートについては、「ハイブリッド展開の前提条件」の「ハイブリッド展開のプロトコル、ポート、エンドポイント」セクションで説明します。

 
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