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バス転落事故で検証 運行記録計・エンジンなど分析
1月19日 17時52分

バス転落事故で検証 運行記録計・エンジンなど分析
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乗客乗員15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故で、警察は19日、事故を起こしたバスの検証を始めました。速度などを記録する運行記録計やエンジンなどを中心に分析して事故原因を調べることにしていて、検証は20日も行われます。
この事故で、警察は長野県上田市にある自動車メーカーの施設で、19日午前中から事故を起こしたバスの検証を始めました。検証には国土交通省の職員や自動車メーカーの社員らも立ち会い、警察はさまざまな角度から写真を撮りながら、激しく損傷した車体やタイヤの状況などを確認していました。
警察のこれまでの調べでは、バスは下り坂で制限速度の時速50キロを超えるスピードで走行し、100メートル程手前のガードレールに接触したあと、車体が右に傾き、バランスを崩した状態で転落したとみられています。
警察は走行時の速度などを自動的に記録する運行記録計やエンジンなどを中心に分析し、事故の前、どのくらいのスピードが出ていたかや、運転の状況などを詳しく調べることにしています。また、ブレーキなどの部品を解体して製造元に送り、不具合がなかったかどうかも調べることにしていて、検証は20日も行われることになっています。

運行記録計とは

運行記録計はバスなどの運行を管理するために車体に取りつけられる機器で、時間経過に伴う運転の距離やスピードが記録され貸し切りバスには装着が義務づけられています。
運転席の脇に取り付けられる場合が多く、アナログの機器では記録用紙に、デジタルの機器では記憶媒体に、それぞれ記録されるということです。
今回のバスにはアナログの機器が装着されているということで、車両から記録計と記録用紙を取り出すことができれば、事故直前のスピードやブレーキをかけたかどうかなどを確認することができます。

専門家「相当の衝撃」

事故を起こしたバスは19日から警察の検証が始まったことで、これまで見えなかった横転した右側部分の損傷状況が明らかになってきました。
映像を分析した自動車工学が専門の芝浦工業大学の古川修特任教授は損傷状況から、「バスは右の前の部分がガードレールに衝突したあと、その勢いで横転し、立木にぶつかって屋根が大きく変形したのではないか」などと事故の状況について推察しました。
さらに古川特任教授はタイヤの状況に注目し、表面はすり減っておらず、正常な状態だと指摘したうえで、前の右タイヤの位置などから「車体前方の右下部分が破損し、タイヤ自体を外側に押し出ている。タイヤを押し出すほど車体が変形しており、相当の衝撃だった」と当時、バスはかなりの速度が出ていた可能性を指摘しました。
また、今後の検証のポイントについては「衝突時の速度やブレーキが正常だったかなどを確認し、原因を調べるとともに医療関係者も加わって、亡くなった乗客の死因やどのようにけがしたか、それにシートベルトの着用状況などを検証する必要がある」と話していました。

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