Chrome 48: Cast への表示、カスタム通知ボタン、ネットワーク予測など
2016年1月20日水曜日
[この記事は Presentation MC、Anton Vayvod による Chromium Blog の記事 "Chrome 48 Beta: Present to Cast, custom notification buttons, and network estimation" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]
特に記載のない限り、下記の変更はまもなくリリースされる Android、Chrome OS、Linux、Mac、Windows 向けの Google Chrome に適用されます。
Presentation API
これまで、サイトのコンテンツを周囲のデバイスに表示することができなかったため、スライドをモバイルウェブ向けに「プレゼンター モード」などで提供することは困難でした。Android 版 Chrome 48 からは、Google が標準として使用している Presentation API と Cast Web SDK を使ってモバイルサイトを Google Cast 端末に表示できるようになります。通知のカスタムボタン
Chrome 42 でプッシュ通知機能が導入されたことで、お気に入りサイトとユーザーは、より親密な関係を築くことができるようになりました。この機能の使用は急速に広まり、今や Chrome では 3 億 5 千万以上のプッシュ通知が毎日配信されています。Chrome 48 では、通知にカスタムボタンを追加することが可能になり、ユーザーが通知内でタスクを完了できるようになります。
Android 上の Chrome 48 の通知アクション
最大の接続速度を検出する
モバイル端末のユーザーは高品質 WiFi から 2G に至るまでのあらゆるネットワークを介してインターネットに接続しており、適切なモバイル エクスペリエンスを設計することが難しくなっています。Chrome 48 からは、NetworkInformation.downlinkMax を使用して端末の最大帯域幅を検出できるため、接続速度に適したサイズのリソースを配信できるようになります。NetworkInformation.onChange イベント ハンドラを使えば、接続品質の変化に対応することも可能です。今回のリリースに追加されたその他の機能
- 新しい DevTools セキュリティ パネルにより、ページのセキュリティ状態を把握することができるようになり、ウェブサイトを HTTPS に移行させるのが便利になります。
- サイトでは、いくつかの新しいイテレーション メソッドにより FontFaceSet をより柔軟に使用できるようになります。
- WebRTC が VP9 ビデオ コーデックをサポートするため、VP8 または H264 のほぼ半分の帯域幅で HD ビデオを再生できるようになります。
- AudioNode.connect() や AudioParam.connect() といったオートメーション メソッドを利用することで、Web Audio の JavaScript 構文がメソッドチェーンできるようになり、より短く、簡潔に記述できるようになります。
- MediaStreamTrack.remote 属性を使用することで、メディア ストリームがリモートソースから配信されているかどうかを検出できます。
- KeyboardEvent.code 属性を使用して、ブラウザの種類やオペレーティング システムに関係なく、ユーザーからのキー入力を検出できるようになります。
- よく知られた記号 @@isConcatSpreadable および @@toPrimitive を使用して、ES5 以前では利用できなかった振る舞いを扱えるようになります。
- flex item に対し、flex-basis:auto なしで min-width:auto と min-height:auto を使用できるようになります。
- いくつかの getAll() メソッドが IndexedDB に追加され、バルクでの取り扱いが可能になります。
細かな変更
- ServiceWorkerRegistration.update() が 24 時間以内のアップデート チェックのためにキャッシュをバイパスしなくなり、仕様コンプライアンスが改善されました。
- IDBRequest と IDBTransaction のエラー属性が、DOMError の代わりに DOMException を返すようになり、Chrome の仕様コンプライアンスが改善されました。
- RC4 cipher は いくつかの脆弱性のため、HTTPS 接続でサポートされなくなりました。
- MediaStreamTrack.getSources() メソッドは MediaDevices.enumerateDevices() に置き換えられました。
- SVG 仕様に準拠するため、SVGGraphicsElement.getTransformToElement は削除されました。
- 仕様に準拠するため、HTMLFrameElement.prototype から getSVGDocument() が削除されました。
- SVG glyph-orientation-horizontal および glyph-orientation-vertical プロパティは、CSS text-orientation プロパティに置き換えられました。
- SVGElement.offset* プロパティと SVGPathSeg インターフェースが削除され、仕様コンプライアンスが改善されました。
- CSS plus-darker 複合演算子が削除され、仕様コンプライアンスが改善されました。
- TextTrackList と TextTrackCueList から item() メソッドが削除され、仕様コンプライアンスが改善されました。
- デベロッパーはプレフィックスを使用せず CSS 書き込みモード レベル 3 を使用して、堅牢な RTL テキスト エクスペリエンスをビルドできるようになりました。
- CSS font-feature-settings には接頭語が付かなくなりました。
Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team