東日本大震災から3日後の平成23年3月14日、福島県いわき市久之浜のがれきの中で見つかった遺体と火葬後の遺骨を県警本部が調べた結果、津波と火災で行方不明になったいわき市久之浜町久之浜字北町72、大工鈴木秀勝さん=当時(60)=と判明した。県警本部災害警備本部が19日、発表した。19日現在の県警集計の死者1613人のうち唯一、不明だった身元が判明した。
岩手、宮城両県には震災で犠牲になり身元が分かっていない遺体があり、全ての身元不明が判明したのは被災3県で初めて。
同本部によると、遺体は震災のがれきを重機で撤去しようとした作業員が発見し、いわき中央署に届けた。入れ歯や着衣、病院に残っていた生前のレントゲン写真との照合、発見場所などから総合的に身元を特定した。
震災当時、鈴木さんは自宅か自宅近くにいて津波と火災に巻き込まれたとみられる。死因は特定できていない。市が保管していた遺骨は震災から4年10カ月ぶりに18日、鈴木さんの遺族に届けられた。
県警は警察庁の基準に従い、頭蓋骨のある遺体を死者と認定しており、県の死者数集計とは人数が異なる。
ただ、県内では依然、197人の行方不明者がおり、県警は引き続き捜索を進める。
福島民報社
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