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2016年01月20日 09時14分 UPDATE

米軍の軍用ドローン、操縦者不足 「安全」なのになぜ? パイロット精神蝕む2つの問題 (1/5)

米軍の軍用ドローンを遠隔操縦する「パイロット」が不足している。人手不足を招く不人気の背景には、パイロットの精神を蝕む2つの問題があるようだ。

[産経新聞]
産経新聞

岡田敏彦の軍事ワールド

 米軍がシリアやイラクなどで偵察・攻撃に使う軍用ドローン(無人偵察・攻撃機)を遠隔操縦する「パイロット」が不足している。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、空軍は年間約180人のドローンパイロットを訓練しているが、一方で年間230人が職場を去っているのだ。あまりの不人気ぶりに、米軍は5年間で12万5千ドル(約1500万円)の特別ボーナス支給を決定するほど。人手不足を招く不人気の背景には、パイロットの精神を蝕む2つの問題があるようだ。(岡田敏彦)

画像 米空軍が運用する軍用ドローン(無人機)MQ−9「リーパー」(米空軍HPより)
画像 米空軍が運用する大型軍用ドローンRQ−4「グローバル・ホーク」。北朝鮮のミサイル発射などの警戒監視のため、日本の米軍三沢基地にも配備されている(米空軍HPより)

ドローンの「操縦」

 米軍はイラクやシリア、アフガニスタンなどで偵察や地上目標の攻撃といった危険な任務に無人機を投入している。RQ−1「プレデター」やMQ−9「リーパー」が代表的だ。プレデターは全長約8・2メートル。赤外線カメラや地上攻撃用のミサイル「ヘルファイア」を搭載し、攻撃にも使える。

 これらはドローンというだけあってプログラムされた飛行ルートを自動で飛ぶのだが、特定の目標の追跡や攻撃が必要になると、衛星通信を介した遠隔操縦に切り替える。アメリカ本土にある誘導ステーションから、ドローンパイロットの資格を持つ兵士が無人機を操縦するのだ。操縦者は、主に有人機の操縦資格を持つ者(パイロット)から選ばれ、専用の訓練の後、ドローンの操縦任務に就く。

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