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イラスト=キム・フェリョン |
翌日の18日にはバーンズ前米国務副長官に会い、米台関係はもちろん、両岸関係や地域情勢にいたるまで幅広く対話した。公式的な外交関係がないため前副長官が来たが、実際にはオバマ大統領が送った特使と変わらない。台湾メディアはバーンズの名前の後に「特使」という肩書を付けて報道した。蔡英文氏は昨年6月に米国を訪問した。当時、米国は政府庁舎で台湾の要人に会わないという慣例を破り、国務省と国家安全保障会議(NSC)庁舎で蔡英文氏に会うなど異例の待遇をした。当時、時事週刊誌タイムは蔡英文氏を表紙人物に選定し、「中華圏唯一の民主体制をリードできる人物」と紹介した。
日米のほかにも蔡英文氏は台湾と良い関係を結んでいる国の使節に会った。自分に投票した有権者のための地方巡回は外賓に会う日程が終わった後に延ばした。しかしこのように忙しい蔡英文氏の外交に韓国は見えなかった。蔡英文氏が韓国に対して親近感を持っているのは、朴槿恵(パク・クネ)大統領の自叙伝に推薦文を書いたことでも立証される。にもかかわらず韓国と蔡英文氏をつなぐネットワークはない。両国指導層の交流が断絶状態に近いからだ。24年前の断交はすべての状況を総合的に考慮したものだとしても、政治家・世論指導層の交流を通じた非公式外交さえも現在のように疎遠になった点は考え直す余地がある。台湾は国交がない中でも相互5位の貿易量を維持している重要な国だ。台湾との貿易量がドイツや豪州より多いという事実を知る韓国人がどれほどいるだろうか。台湾との親善は決して中国との友好を傷つけない。むしろ対中国外交でテコになることもある。16歳のツウィ(周子瑜)に謝罪を強要する二者択一の発想を外交関係にまでする必要はない。(台北で)
イェ・ヨンジュン北京総局長