金を使った超微細グリッドが、タッチスクリーンの反応性を進化させる
で、タッチスクリーンってどういう仕組みなんだっけ?
何回聞いても忘れてしまいますね...
一般的なタッチスクリーンはほぼ透明に近い電気回路がグリッド状に重なっており、どこが触られているか感知することができます。この度、超微細な3Dプリンター技術によって更に透明度の高い、より繊細なタッチスクリーンが可能になったとのことです。
チューリッヒにあるスイス連邦工科大学は、現在のタッチスクリーンに使用されている回路に取って代わる超微細な伝導体のグリッドを、3Dプリンターを使って作成する新たな方法を開発しました。ナノドリップと呼ばれるこの技術は電気流体力学(EHD)ジェット印刷によってグリッド状にインクを沈着させ、伝導体として作用するナノレベルの壁を段階的に積み上げていくのです。
使用されるインクは金のナノ粒子を成分とし、溶剤とミックスされています。プリントアウトされてインクが沈着すると、溶剤が蒸発し金が残ります。そうやって残った金によって、強固なグリッド構造が作られるわけですね。グリッドを構成する金の壁の薄さは80から500ナノメートルだそうです。
今使われているスマホやタブレットのタッチスクリーンのグリッド部分は主に酸化スズでできているのですが、新しい方法を使うとより透明性が高く、かつ伝導性の良いタッチスクリーンが作れると研究者たちは言っています。高い伝導性のおかげで繊細なタッチが可能になり、透明性が高くなることによりパフォーマンスも高くなるということで、良いことずくめです。
研究結果はAdvanced Functional Materialで発表されました。研究チームはこの技術を使って大規模生産ができるような工程を計画中だそうです。
次世代のタッチスクリーンとして近年中に市場に出回るかもしれませんね。
source: Advanced Functional Materials via The Engineer
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)