2016-01-20
■孤独死同盟
さて、アラフォーである。
アラフォーなのに早くも今年二回目の風邪を引いてしまった。
どうも調子悪いなあと思ったら38.1度の熱があった。コンピュータと同様、僕も熱には弱いので途方に暮れつつ風邪薬を飲んで寝るしかない。
目を閉じても眠れない。反射的に咳が出て、その咳で起きる。
頭のなかに小さな棒状の物体が線路のように規則正しく並び、さざめくイメージ。それがぐるぐる駆け巡って眠れない。
酒を飲まない時にどうやって眠っていたか忘れてしまった。
こんなとき、寒さに凍え、毛布に包まりながら、「俺の最期はきっとこんな感じで孤独に一人死んでゆくのだろう」と思ってしまったりする。
僕の周囲には、幸か不幸か、アラフォーどころかアラフィフだというのに、結婚もせず彼女も作らずという人間が少なからずいる。なぜ一人なのか、事情は様々だし、決して女性が嫌いというわけではないのだが(むしろたぶんどちらかというと好きな方だと思うのだが)、気がつけば一人。咳をしてもひとり。というわけだ。
そんなわけだから、僕達は孤独死同盟を作って、孤独死から免れることを本能的にやっている。
週に一度、下手すりゃ二度、LINEで「今夜、どう?」と連絡をとる。
顔を合わせることが目的ではない。
ただ互いが生存しているか、息災であるか、それを確認しているのだ。
僕の場合、ソーシャルメディアへの投稿が多いので、病気をしていようと3日も書き込まなければ親切な読者から会社に通報が行く。そういうことが過去に度々あって、いろいろと申し訳ないので風邪を引いていようと布団の中で簡単なブログくらいは書くことにしている。
でもみんながみんな、そうではない。
時たま思い出して、「あいつ、まだ生きてるのかな」と電話したりメッセンジャーを送ったりする。
昨年、教え子が一人亡くなった。
就職活動に本腰を入れた矢先である。
死因はよくわからない。
朝起きたら、ぽっくり逝っていたそうだ。
僕は彼とは比較的仲が良くて、つい前の週に手作りのハンバーグを食わせたばかりだった。
自分より若い命があっという間に喪われてしまうこともショックだったし、その理由が特にないというのもショックだった。
バス事故の報道を見ていると、前途ある大学生たちの命が数多く喪われた。
僕も社員旅行でバスを使ったりするので、これは他人事ではない。
値切る側も値切られる側も両方の理屈がわからんでもない。
65歳を過ぎて反射神経も判断力も衰えた老人にそんな重要な仕事をさせるのはもちろん間違いだが、そうしなければやっていけない現実とのギャップもある。
誰それが悪い、というのは簡単だが、問題の本質はそう簡単でもない。
件のバス運転手の一人は身寄りがなかったようで、誰も遺体を引き取りにこないそうだ。
彼もまた、孤独死を恐れていたのだろうか。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
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