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日航機事故で長男など亡くした父の半生 次男が出版
1月20日 9時17分

日航ジャンボ機墜落事故から30年がたち、記憶の風化が懸念されるなか、遺族の1人が、事故で長男らを失い、今では90歳を超えた父の半生を記録に残したいと、手記や日記を本にまとめ、このほど出版しました。
今月出版された「愚直」というタイトルの本は、520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故で、長男とその妻、それに孫の3人を亡くした、栃木県の栗原哲さん(93)の手記や日記をまとめたものです。
事故から30年がたち、父の半生を記録に残したいと、次男の橋本毅さん(61)が出版を決めました。
栗原さんは大正12年生まれで、戦後はシベリア抑留ののち、ふるさとの栃木県に戻り、教師として体育を教えました。手記には「狭い校庭ながら子どもたちの心にふれることができた」など、希望に満ちた記述が目立ちます。
しかし、定年後の62歳のとき、事故で長男らを失ってからは、墜落現場の御巣鷹の尾根を繰り返し訪れ、「逃げるすべもなく死んでいった子どもたちに対して『安らかに眠れ』とはどうしても言えなかった」「心の中で『帰ってこい、帰ってこい』と叫びながら山を下りた」などとつづっています。
栗原さんは去年10月から体調を崩して入院しているということです。
毅さんは出版について、「本を作るなかで、事故の悲惨さが忘れられてしまうと、もう一度同じような事故が起きてしまうのではないかと感じるようになりました。父の本が、事故を二度と起こさない、その一助になることを願っています」と話しています。

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