社員が全員辞めても譲れなかった「誰と一緒に働くか」 | LIG
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LIGブログ
こんにちは、社長のたかです。
昨年に引き続き、今年も積極的にクリエイターの採用活動をしています。仲間が増えてできること、刺激を受けることが多くなるのはとても嬉しいことです。優秀な仲間が増えるに伴い、LIGでは組織変更を頻繁におこなっています。
他事業、他拠点で事業展開していく上で、Life is Goodというコンセプトを共有できて、信頼できる仲間を増やします。そして彼らを育てていくことに尽力しています。ホラクラシーの概念も組込み、できる限り階層を少なく意思伝達ロスをなくし、自走できる組織が理想です。
※参考:組織の新しいカタチ「Holacracy(ホラクラシー)」
成長戦略上、組織全体を自走させるために、クリエイティブと数字のバランス感覚を持つメンバーを増やしていく必要があります。ややもすると、モノづくりが好きなメンバーが集まり、どうしても数字を軽視してアウトプットに注力しがち。さらに悪い状況では、アウトプットの対価としての価値認識がズレてしまい、見当違いの企画、ブラッシュアップに時間をかける可能性もあります。
一方でクリエイティブに突出し、偏ったメンバーのことを心から愛しているのも事実です。そういう仲間たちが伸び伸びと「いいモノをつくろう」「技術を伸ばそう」「新しい挑戦を行おう」と思える環境を整えることも重要だと認識しています。
各メンバーの趣味嗜好を把握しつつ、組織としてのバランスを取りながらのマネジメントは失敗の連続。その中で僕が自ら体験し、気をつけていることをまとめてみました。
人は想像以上に感情的な生き物なので、理解と共感は相互で作用するものだと考えています。組織のパフォーマンスは、組織内の信頼関係の総量で大きく変わります。
心を開いている人から言われる言葉は、少なくとも聞いてみようと思えます。伝えるメンバー、表現方法、文脈の順序により驚くほど伝わり方は違うのです。
そのため、相手が何を好きで何を嫌いか把握し、理解することから始めたいと考えています。地道にコミュニケーションをとり、信頼関係の下地をつくることを心がけています。
着飾るよりもズバッと「組織としてこうした方がより良くなる」と伝えてくれるメンバーに囲まれていたいし、自分自身も攻撃的にならない範囲で率直に思ったことを伝えられる人でいたいと思っています。
完璧な人はいないし、自分に足りない能力や視点で考える仲間が周囲にいるほうが、多方面での視野を把握できる分、自分自身の成長速度は速くなるはずです。自分一人では実現できないことをチームで取り組むワクワク感、「こいつらとなら可能性がめちゃめちゃ広がるぞ」と思える高揚感を大切に、できる限り素直に裏表なくいつづけたいと思っています。
信頼関係の根本は「感謝」と「謝罪」をしっかりすることだと思っています。自分自身を振り返ると、ついつい感情的になってしまうこともあり、「あのときは、なぜあんなにも攻撃的にイライラしていたのだろう?」と不思議に思ったことも何度かあります。感情的になってしまうのは人間なので仕方のない面もありますが、重要なのはその後のフォローです。
建設的な関係でいるためにも、勘違いやコミュニケーションロスなど自分に非があった場合はしっかりと謝罪し、嬉しかったり助かったりした場合は心から感謝をする。当たり前のことですが、感謝と謝罪をしっかり伝えることを大切にしています。
そもそも一回で伝えられる情報には限りがあり、言ったはず、伝えたはず、話したはず……など「〜したはず」は、本質的には意味がありません。何も前進していないので。
なかなか伝わらないと感じるときも多々あります。そのような際は「100%伝わるか」ではなく「100%伝えたいと試行錯誤し続けるか」の方が重要で、違うと思ったら、摩擦を恐れずに伝え続ける姿勢を大切にしています。伝え方をあれこれ考えて、なかなか伝わらないと苦悩しつつも何度でも伝える姿勢を持ち続けたいと思っています。
課題や悪いところを指摘するだけでは組織は前進しません。組織を俯瞰的に、広い視野で見ることができる人ほど、課題や悪い点を指摘するだけになりがちです。
マネジメント側からすると、課題がみえているメンバーは重要な存在です。自分が見えない課題を把握している可能性があり、視野が広いということは大切な能力です。一方でマネジメント層としては、「課題を見つける能力があるからこそ、組織をより良くするために、一緒に改善するアクションをとろう」と期待をしています。
そもそも組織は課題だらけで、指摘すればキリがなく、競争力を担保しつづけるには改善し続けるしかないのです。改善点を指摘してくれるメンバーが、一緒にアクションを起こせれば組織は前進します。
「改善できる点はどこだと思う?」「どうすれば改善できると思う?」など、建設的に一緒に考えることができるようなコミュニケーションを心がけています。
コミットメント力があるメンバーは任せる範囲が広くなり、組織は力強く動きます。コミットメント力はビジネス上非常に重要な能力です。一方で、コミットメント力が高い人ほど、課題解決のフォーカスを絞ることが得意なため、視野が狭くなりがちです。
マネジメント層であれば、今以上に良い組織を作りたいという大きな意思は同じはずです。フォーカスしているのが、短期的な視点なのか、長期的な視点なのかの違いで、取り組み方や考え方は変わってきます。
コミットメント力が高いメンバーには、視点を変えて見るクセをつけてもらおうと思っています。擬似的にファシリテーターを任せることや「ひとつ上の視点で考えたらどう思う?」などのコミュニケーションをとり、視野が狭くなりすぎないように心がけています。
表現方法は、独特だったり攻撃的だったり、ネガティブだったりポジティブだったり各メンバーにより異なります。表現方法にとらわれると本質的な内容まで意識が回らない可能性もあります。攻撃的で愚痴っぽい表現方法でも、内容的には本質だと気づかせてもらえることも多々あります。
そもそも「組織なんてどうでもよい」と思っていたら、マネジメント層に発言なんてしないのです。表現方法は独特でも、「何かを改善したい」「より良くしたい」「もっと気づいてもらいたい」など、何らかのサインだと認識して内容を汲み取ろうとしています。
一方で、ネガティブな発言や攻撃的な態度はチーム内の雰囲気を壊し、周囲のモチベーションやパフォーマンスにも影響を及ぼしてしまいます。内容を把握することを心がけつつ、周囲への影響を考えられるようなアドバイスをしたいと思っています。
リーダーが、「あいつは使えない」「あいつはこういうところがダメだ」とメンバーの陰口や悪口を言うと、「この人は別の場所では自分の悪口を言っているかもしれない」と組織内の人間が疑心暗鬼になります。
愚痴や悪口、陰口のコミュニケーションに価値はありません。伝えたいことは直接本人と話し合う方が建設的です。陰口が横行するチームに信頼は生まれづらいので、何はともあれ自分自身でネガティヴな発言、悪口や陰口を言わないということを心がけています。
個性は個性で、パフォーマンスはパフォーマンスだと切り分けて考えています。そもそも一緒に働く仲間として迎えいれているし、職種や役割によって得意不得意があるのが当然です。
パフォーマンスが悪いからといって、その人の個性を否定するわけではなく、個性は個性として切り分けて考え、期待しているパフォーマンスに対して、指摘したり改善してほしい旨を伝えたりするようにしています。
パーソナルな部分は尊重しつつ、期待値としてのパフォーマンスをしっかりと分けて考えることが重要だと考えています。
創業してから組織づくりと企業文化を大切にしてきましたが、抱えきれないほどの失敗をたくさんしてきました。マネジメントには明確な答えがなく、組織によって多種多様なので、そもそも何が正しいか定義できることでもないでしょう。
詰める場合も時には必要で、違うことは違うと主張しないと組織があらぬ方向に進んでしまう可能性があります。その中で心がけていることはバランス感覚と相互理解、そして「組織はどうすれば前進するのか」という視点で考えながら、伝え続けることだと思っています。
試行錯誤は続きますが、何かのヒントになれば嬉しいです。
そして、LIGではデザイナー、エンジニア、ディレクターを積極的に採用しています。興味があるクリエイターの方はご連絡ください。
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