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関内関外日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2009ねん11がつ05にち

良き自転車乗りのための十四訓

はじめに

f:id:goldhead:20091105081952j:image:left:w200 今朝、赤ら顔をしたgoldheadさんにたまたま出くわした。朝からまた酒を飲んでいるのかと思ったら、自転車に乗って日焼けしたのだという。それからぺらぺらぺらぺらと、やれ自転車小田原に行った、真鶴に行った、江戸川の上流まで行ったなどとよく喋る。しまいには、汚い手書きのメモの束を見せて、「ここに自分自転車の奧義を書き記した。ぜひ、世間に広めてくれ」などと言う。たかだか10ヶ月くらい安いクロスバイクに乗っただけの人間が、何を言っているのだろう? むしろ、これをプリントアウトして病院に行くべきではないのか。そんな風に思っていると、goldheadさんは、「俺は風、風なんだ!」と叫びながら、寿町の方へ走り去ってしまった。いやはや。

 わざわざプリントアウトするのは紙の無駄である。かわりにここにアップしようと思う。



はじめに

 筆者は浅学菲才にて体育歴も碌にない自転車初心者である。しかれども、幾月か過ごすうちに、自転車に関する幾つかの観察を得るに至った。恥ずかしながら、それをここに列挙しようと考える。ご笑覧いただければ幸いである。

予定と調和

f:id:goldhead:20090917203354j:image:left:w400一、運転の真髄は「予測調和」なり。ピストン西澤言葉なり。曰く、「公道レースも同じ」なり。より速く、より遠くと願うことはあれども、いくらでもそのさきを行く人あり。しかれども、予測調和はその都度に達成されうる目標なり。この言葉念頭に置いて運転せば、大きく誤ることなし。

信号守るべし

f:id:goldhead:20090913213440j:image:left:w400一、信号守るべし。自動車自動二輪車信号を無視するは、相当の狼藉者と見なさるるも、自転車にては上級ロードバイク乗りも平気で無視すること多し。はなはだ面妖なり。これを以て、スポーツ自転車道路信号を守らなくてもよいなどとゆめゆめ思うことなかれ。悪習にならう理由なし。たとい丁字路を直進するさいでも、赤信号では停止すべし。

あえて、小声でカツンと言いたい、ロードの人ってなんで信号守らねえの? - 関内関外日記

むやみに競わぬこ

f:id:goldhead:20090822171531j:image:left:w400一、むやみに競わぬこと。他の自転車、あるいは坂路とむやみに競わぬこと。これ、自転車趣味の楽しみなれども、遠乗りのさいなどは自らのペースを守ることこそが肝要なり。いたずらな疲労、怪我を避けんがためにも、自らの力量を見極めて走るべし。

捕手のごとく

f:id:goldhead:20091105124047j:image:left:w400一、交差点では名捕手のごとく振る舞うべし。信号待ちの交差点では全方位を仔細観察すべし。名捕手マスクの内から打者の視線、グリップの具合、スタンス幅、あるいは走者やベースコーチの様子をキョロキョロと窺うがごとく、信号待ちの車両の車種、歩行者の挙動の一つ一つを見やるべし。常人に「風の息づかいを感じていれば、事前に気配があったはずだ」などと感ずることはなはだ難しけれども、人間意図あるいは不注意は察することいくらかは可能なり。すべてのものはメッセージなり。小さい頃は神さまがいて、全てのことはメッセージなり。

標識以前の回避

f:id:goldhead:20091105010100j:image:left:w400一、陸橋、複数車線に細心の注意を払うべし。一般国道に突如「自転車・大八車進入禁止」標識あらわれることあり。設置位置が進入点直前にあり、気づきしときには回避不能の場合多し。これ、道路行政の怠慢、無理解なれども、自他ともの安全のため、かような車道への進入避けるべし。また、都会に多きこととして、複数車線化のことあり、右折困難なり。そのためには、遠く前方において早めに察知し、余裕を持って避けるべし。知らぬ道を走るさい、特に念頭に置くべし。

歩道

f:id:goldhead:20090726195016j:image:left:w400一、ときには歩道に進入することをためらうべからず。自転車車道を走ることこれ原則なり。原則は原則であり、許可される場合もあり。車道歩道の状況に応じて、ときに歩道に退避することためらうべからず。狭き道で車道はなはだ混雑し、自転車通行可歩道に余裕があり人が見えないときは、退避するのが互いのためなり。ただし、歩道通行のさいはくれぐれも低速、安全を徹底すべし。

地図コンパス

f:id:goldhead:20091026130141j:image:left:w400一、地図コンパス必携のこと。多少見知った範囲といえども、少し遠出するさいはポケット地図など必携すべし。道の迷いは気の迷いなり。安心のために道路のことよく知るべし。また、GPSなどあるに越したことなかれども、100円のコンパスでも地図とつきあわせれば十分に役立つと知るべし。

コンビニ

f:id:goldhead:20091104140115j:image:left:w400一、道中のコンビニ数に気を払うべし。サイクリング時に大きく頼れるものがコンビニなり。食糧、飲料補給、怪我などの応急処置、さらには排泄と、感謝すべき施設なり。ただし、都会においてはコンビニに事欠かぬが、市街地を離れると同時に、だんだんと数少なくなり、ぱったりと見なくなることあり。街並みの変化を感じたならば、数少ないコンビニの機会を逃さず、食糧、飲料余分に買い込むべし。また、手洗いを借りたさいは必ず買い物するのが道義なり。食糧、飲料に余裕ある場合、キューピーコーワゴールド2錠100円を買うべし。

道具と工夫

f:id:goldhead:20090920233431j:image:left:w400一、あらゆる商品を自転車に応用できぬか考慮すべし。自転車専用品は高価なものなり。しかれども、100円ショップホームセンターなどにも、十分役立つ物あり。一見自転車と関係なく見える売り場も、頭を働かせてよく観察すべし。犬の首輪が立派な反射バンドになることすらあり。また、工作の心得ある人は、いろいろの自作試すべし。

自転車グッズ

f:id:goldhead:20090805123731j:image:left:w400一、自転車専用品あなどることなかれ。自転車専用品は高価なものなり。しかれども、専用に開発、改良されし商品には、それだけの価値ある場合少なからずあり。後ろにポッケがあること一つにしても、専用品のみに求められる機能なり。ヘルメットライトなどはじめから揃えるべきもののほかも、必要や不満足に応じて、財布の中身と相談しつつ買い求めるべし。また、購入は個人輸入などの方法もあり、店舖、インターネット最大限に活用すべし。

f:id:goldhead:20091105102800j:image:left:w400一、いくら光らせても光りすぎるということなし。自転車の夜間走行は、日中より一層危険を伴うものなり。前方照明、後方照明、また、側面、反射素材、あらゆる方法を用いて目立つべし。いくら光らせようとも、自動車ヘッドライトに比べればたいしたことなし。恥よりも安全を取るべし。ただし、前方に赤色灯つけること絶対に避けるべし。混乱と事故のもとなり。

f:id:goldhead:20091003111432j:image:left:w400一、雨の日はひかえるべし。雨中の運転は危険を伴うものなり。やむをえぬ場合を除き、できるかぎり雨は避けるべし。万一に備えて雨中運転を練習するならば、万全に万全の注意を重ね、間違っても人に迷惑を掛けぬよう心得るべし。

遠乗りと軽ギア

f:id:goldhead:20090913213435j:image:left:w400一、遠乗りは、軽ギアくるくる回すべし。遠乗りの際は、ワンペースの逃げ馬のごとく、淡々とラップを刻むこと肝要なり。一時に時速35km/hで走ろうとも、信号や休憩を挟めば平均時速はたいして変わることなし。自らの平均値意識して、軽ギアくるくる回せば疲労少なく、こむらがえること少なし。

日常点検、定期点検

f:id:goldhead:20091019085149j:image:left:w400一、日常の手入れは自分で。定期点検はプロの手に。いかに自転車構造技術無知であれども、空気圧、注油、清掃は欠かさず行うべし。また、さまざまの手本を参考に、パーツの装着、交換なども行うべし。慣れるにつれ、自ずと見え始めることあり。しかれども、プロの技量に比べればその違いはなはだ大なること言うまでもなし。定期的に点検、メンテナンスに出すべし。良き状態の自転車の乗り味覚え、その維持に努めるべし。

情報共有

f:id:goldhead:20090920230127j:image:left:w400一、情報共有すべし。自ら学び、体験した自転車に関する事柄、できることならば公開すべし。たとい自転車歴1日目の人の話でも、同じく1日目の人には有益なる情報になることあり。また、たとい1000人のうち999人が無益と投げ捨てる情報でも、たった1人の福音になることあり。また、ならずともよし。構うことなし。情報吐き出すべし。

おわりに

 自転車道、何訓果たそうが、終わることなし。ペダル一漕ぎするごとに、一つ一つ見えてくる事柄あり。技能、体力、安全、全てにおいて終着点はなし。ただ、日々のその時々の状況に合わせ、体調に合わせ、予測調和を心掛けるのみなり。

 また、究極の交通安全は、法令順守の中にらざるものなりと考える。一人一人の自発的な心がけが調和したときこそ、世界中が無事故であり無違反になるときである。法の意に反さぬという意味での無違反でなく、そもそも準拠すべき違反すら消え去ったときが、本当の自由である。とはいえ、私も含めてそのような調和心を身につけた人類はおらず、また、片方が持っているからといって、相手が持っていなければ詮無き事である。ただ、その目標に向かって走るべし。走るべし。

 最後に、その精神をうたった素晴らしい自転車乗りの先人の言葉引用して終わる。

僕らは今の音頭取りだけが嫌いなのじゃない。今のその犬だけがいやなのじゃない。音頭取りそのもの、犬そのものがいやなんだ。そして、一切そんなものはなしに、みんなが勝手に躍って行きたいんだ。そしてみんなのその勝手が、ひとりでに、うまく調和するようになりたいんだ。

大杉栄

私が自由であるのは、私を取り巻く全ての人間が、男女問わず、平等に自由であるときだけである。他人の自由とは私の自由の制限あるいは否定ではないばかりか、それにとって不可欠な状況であり、確信である。

(ミハイルバクーニン

まずは PEACE, UNITY, LOVE そして HAVIN' FUN!

ハルカリ

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