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印南敦史印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

ほめて伸ばす「ほめ育」に必要な3ステップ

ほめて伸ばす「ほめ育」に必要な3ステップ

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今すぐできる! 今すぐ変わる! 「ほめ育」マネジメント』(原 邦雄著、PHP研究所)の著者は、「ほめ育」コンサルタントとして、これまでにも「ほめる」ことをテーマにした著作を送り出してきた人物。船井総合研究所コンサルタントからラーメン店の洗い場に転職。現場で培った"ほめ育" ノウハウによって多くのコンサルティングを行っているという、異例のキャリアの持ち主でもあります。

しかしそうはいっても、ただ普通にほめただけでスタッフの業績が上がるとは考えにくいところです。著者自身も、「スタッフのテンションが一時的に上がることはあっても、業績が上がることがまずありません」と断言しています。つまり、「ほめ方」が大切だということ。では、それはどのようなものなのでしょうか?

著者によれば、業績アップのメカニズムを簡単に説明すると次のようになるそうです。

【業績アップにつながる行動をしたスタッフをほめる】
→【業績アップにつながる行動をするスタッフが増える】
→【業績がアップする】
(「はじめに」より)

少子化の時代において、安易にスタッフを入れ替えることは難しいもの。かといって、即戦力を採用することも決して楽ではありません。大切なのは、いまいるスタッフを活用し、業績を上げていくことであり、そのための有効な手段が「ほめ方」だということ。そして著者は、「スタッフをほめて育てる」という意味で、これを「ほめ育」と呼んでいるのだそうです。第4章「ほめ育マネジメントの3STEP」を見てみましょう。


著者によれば、「ほめ育」の導入は次の3ステップによって行うのだそう。

1. ほめる基準をつくる
2. ほめる風土をつくる
3. 長所をぶっこ抜く
(88ページより)

「ほめる基準」とは文字どおり、スタッフがどういう行動をしたときにほめるのかという基準。この基準がないと、ほめる方もなにをほめていいのかわからず、ほめられる方にしてもなにをすればほめられるのかがわかりません。そこで、この基準づくりが、「ほめ育」導入の第一歩になるのです。

次に行うのが、ほめる風土づくり。もともと日本には「ほめる」文化が根づいていなかったこともあり、基本的に多くの日本人は面と向かってほめることが苦手です。だからリーダーに「ほめる基準をつくったので、これに従ってほめてください」と伝えたところで、すぐにほめられるようにならなくて当然。

またほめられる側も、突然ほめられたのでは戸惑ってしまうだけです。そこで、ほめるツールを使ったり、ほめる場を設けたりすることによって、組織のなかにほめる風土を根づかせていくべきなのだそうです。

最後の「長所をぶっこ抜く」は理解しづらい表現ですが、つまりはスタッフ一人ひとりの長所を見つけ出し、それを伸ばしてお金に換えるためのステップなのだとか。「ほめ育」マネジメントはスタッフの長所をお金に換えるということなので、それを実現するためにはこのステップが重要なのだといいます。

では、それぞれを詳しく見ていきましょう。(88ページより)


【STEP 1】ほめる基準をつくる


ほめる基準が必要な理由は3つあるそうです。まず1つ目は、安易に基準のない「ほめ」を導入してしまうと、組織が無法地帯になってしまうから。「ほめ育」を導入する目的は、甘い組織や馴れ合いの組織をつくることではなく、事業計画の売り上げ目標を達成することであるはず。そのためには、そこに直結する行動基準をつくり、その行動をとったスタッフをほめることが必要になるというわけです。

2つ目は、ほめる基準をつくると、上司と部下の間に共通言語ができるようになるから。上司と部下は同じ日本語を話しているように見えても、実際にはお互いを理解できていないもの。立場や価値観の違う人間がともに目標達成に向かっていくために、どうしても必要となるのは共通言語。「ほめる基準」が、その役割を果たしてくれるということ。

そして3つ目は、ほめる基準があることによって、スタッフが成長しやすくなるから。「ほめ育」では、ほめる基準を作る際、単純な基準ではなく、スタッフのレベルに応じた段階を設けるようにしているそうです。そうすることによって、スタッフは「なにをすれば上のステージに上がれるのか」が明確になり、モチベーションが上がって成長が加速するのです。(90ページより)


【STEP 2】ほめる風土をつくる


社会に出てみると、上司からほめられることはほとんどなく、それどころかダメ出しばかりが出たりするもの。それは、多くの日本企業にある状況だともいえます。しかし著者は、いまはダメ出しによってスタッフを育てるのは難しい時代だと指摘しています。むしろ、若い人たちはほめることによって育っていくのだとも。

実際、ほめることの効果はたくさんあります。まず、ほめられると自信がつきます。そして自信がつくと、耐える力が身につきます。また、ほめられることでキレにくくなり、マイナスのことをプラスに変換する力もつくといいます。

とはいえ、これまで部下をほめたことのない上司に、いきなり部下をほめろといっても無理な話。そこで著者は「ほめ育」を導入する企業に対しては、「上司は週に1回、必ず部下をほめるようにする」など、ほめる風土づくりを半ば強制的に行ってもらうようにしているのだといいます。新しいことをやる場合は、そうすることによって習慣化しやすくなるのです。

また、それ以上に重要なのが、経営者やリーダーが本気で取り組むこと。その本気度を示すものが、「自分の弱みを部下にさらけ出せるかどうか」だそうです。理由は2つ。まず1つは、本気で部下をほめられるようになるため。自分が完璧な人間だと思っていたりする人に、部下を本気でほめることは不可能です。しかし自分の弱みがわかっていて、その部分については部下の方が優れていると本気で思えるのなら、その部分を素直にほめることができるはず。そのためには、自分の弱みと強みを自ら整理しておくことが大切だということ。

2つ目の理由は、自分の弱みをさらけ出した方が、人間的に魅力が出るから。「ほめ育」を行ううえでは「なにを」ほめるかだけでなく、「誰に」ほめられるかも重要。「あなたにいわれたくない」と部下に思われてしまったら「ほめ育」は終わりなので、上司は自分の弱みを部下にさらけ出すことが必要だということです。(98ページより)


【STEP 3】長所をぶっこ抜く


これは、ほめ育マネジメントの目的である「スタッフの長所をお金に換えること」の最終段階だそうです。スタッフの長所をお金に換えるためには、まずは長所を見つけることが必要ですが、なかなか難しいことでもあります。それは知恵の輪のようなもので、必ず解けるものだと信じ、途中で投げ出さずに努力を続けることが大切だという考え方です。

つまり部下の長所を見つけられないとしたら、それは上司の努力が足りないだけであり、その部下に長所がないということでは決してないということ。そして知恵の輪を解く場合と同じで、部下の長所を見つける場合にも、一方向から見ているだけではなかなか見つけることはできないもの。あらゆる方向から見ることが大切だということです。そして上司と部下として接するだけでなく、ときには友だち同士のようなアプローチも必要。部下の変化を待つだけではなく、上司も変わっていかなければならないということです。

また、「今週のMVP」や「今月のMVP」を決め、ミーティングの場などで発表するという表彰制度を設けることも効果的だと著者はいいます。なぜなら、そうした制度を設けることによって、部下はさらにがんばるようになり、上司はMVPを選ぶために部下の一挙手一投足に注意を向けるようになるから。事実、この制度を導入している企業では、上司が部下のちょっと出た芽を見逃さずにほめられるようになり、部下がさらに成長していくといった好循環が生まれているといいます。(105ページより)




他にも、ほめることによって得られる効果や、ほめる手段がわかりやすく解説されています。部下とのコミュニケーションについて悩んでいる上司やリーダーにとっては、大きな力になってくれるかもしれません、


(印南敦史)

 

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