3歳の孫。落ち着きがありません。自閉症と診断されました。耳は聞こえていますが、アーとかウーとかしか言葉が出てきません。とても心配ですが、どうしたらよいのかわかりません。何かアドバイスがあれば、お願いします。(山口・M)
【答える人】神尾陽子(かみお・ようこ)さん 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所部長=東京都小平市
言葉の相談です。
家族は言葉だけに注目しがちですが、その子の特徴や発達の度合いを総合的にみましょう。地域の保健所は専門医や言語の専門家、児童発達支援センターや児童発達支援事業所を紹介しています。
支援の内容は。
臨床心理士、言語聴覚士、指導員、保育士などが、理解力や判断力、生活の基本的な習慣など、全体的な発達を促すように、適切な療育法を検討し、家庭の対応についてアドバイスをくれます。自閉症の子どもは対人関係を作るのが苦手で、子どもによってこだわる点も違います。環境を整えることも大切です。
環境とは。
たとえば、音に敏感な子は騒音を避ける、特定の肌触りが苦手なら衣服の選び方を工夫するなど、安心して過ごせる環境を専門家と親で一緒に考えます。いろいろと経験し学ぶ場所は、安心できる環境でないといけません。
言葉の訓練は。
言葉の理解や使い方を発達させるプログラムがありますが、自閉症の場合、言語発達は子どもによってさまざま。絵カードでコミュニケーションをとる方法もあります。言葉が出なくても、人とかかわる力がつくと、生活力や意欲が伸びます。話すことに恐怖をもつと困るので、無理にしゃべらせないで下さい。言葉の理解力などの検査を定期的に受けましょう。
祖父母の方に一言。
他の子どもと違う行動をしても受け止めましょう。お孫さんの親に日常生活で手伝えることがないか聞き、サポートして下さい。療育機関に行き専門家の話を聞いて、他の自閉症の子どもの様子を見ることもお勧めします。
質問には連絡先を。回答は紙面に限ります。
<アピタル:どうしました・子ども>
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