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民主、見えぬ党勢回復の兆し

参院選で野党共闘がカギ

 民主党の岡田克也代表が18日で就任1年となった。2014年衆院選での敗北を受け党再建を目指してきたが党勢回復の兆しは見えない。維新の党などとの野党結集と共産を含めた選挙協力がカギだが、代表としての強いリーダーシップは発揮されていないのが現状。夏の参院選で反転攻勢の足がかりをつかめるか、正念場を迎えている。【田所柳子、飼手勇介】

     「参院選の重要な年だ。私が先頭に立つので、気を引き締めて参院選に向け全力で戦いたい」。岡田氏は18日の役員会で、参院選の重要性をこう強調した。

     14年12月の衆院選で海江田万里前代表が落選した後を受けて就任した岡田氏だが、昨年4月の統一選など地方選挙でも共産の躍進を横目に不振が続く。毎日新聞の世論調査では、岡田氏就任前の14年12月の党支持率は10%だったのに対し、直近の昨年12月は7%と、低迷が続いている。

     参院選の目標議席もいまだに示せていない。参院選で改選される42議席の維持は容易ではない。前回13年には17議席まで激減しており、「このままでは10議席台だ」(党中堅)との声まで上がる。

     状況打開の決め手の一つは維新との合流を含む野党結集だが、課題が残る。岡田氏は今月8日、先月衆院で統一会派を組んだ維新と合流した場合、党名変更する可能性に初めて言及した。ただ、解党には依然慎重で、維新の江田憲司前代表からは「解党しないなら焼け野原だ」と迫られている。

     参院選の1人区の勝敗に直結する野党の選挙協力を巡っても、戦略は定まっていない。岡田氏は当初、共産との候補者調整に前向きだったが、党内の保守系の反発を受けて協議に慎重な姿勢に転じた。共産の山下芳生書記局長は18日の記者会見で、民主に対し「前提条件なしにとにかく協議に入ろうと呼びかけたい」と要求。社民の吉田忠智党首も同日の会見で「民主は消極的だ。選挙協力にもっと踏み込んでほしい」と語気を強めた。

     岡田氏の座右の銘は「大器晩成」で、慎重、堅実で知られる。しかし、党勢回復のカギを握るこれらの課題に対しても慎重な姿勢には、党内から「スピード感がない」との声も上がる。維新との合流の進展や参院選の結果次第では執行部への責任追及が噴出し、17年9月までの代表任期を前にした代表選前倒し論も出かねない。今後の半年が「代表としての手腕」が問われる山場になりそうだ。

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