ギザギザの奇岩が666キロも連なる マダカスカルの不思議な世界遺産
Magnificent View #840
ツィンギ・デ・ベマラ(マダカスカル)
(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages
「ツィンギ」とは、マダガスカルの言葉で「先の尖った」という意味。その名の通り、ここには鋭く尖った岩が延々と約666キロにもわたって続いている。
この岩山の形は、石灰岩のカルスト台地に数万年かけて水が侵食した結果、できたもの。世界には中国の石林やオーストラリアのピナクルズなど、同じく石灰岩の奇岩群があるが、この地ほど密集している場所はほかにないのだとか。
一帯は「ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区」として世界遺産にも登録。一見すると自然は厳しそうだが、乾燥に強い植物が多く自生し、周囲のサバンナには鳥類やキツネザル、生涯のほとんどを樹上で暮らすベローシファカというサルなど、独特の動物も生息している。
文=芹澤和美