オスプレイ反対の男性 米軍関係車通行阻む

普天間飛行場に入ろうとする米軍関係車両の前に立ちはだかる玉城さん=20日午前7時17分、宜野湾市大山

普天間飛行場に入ろうとする米軍関係車両の前に立ちはだかる玉城さん=20日午前7時17分、宜野湾市大山

 米軍普天間飛行場大山ゲートに近い宜野湾市の国道58号で20日朝、オスプレイ配備に反対するうるま市の自営業玉城毅さん(62)が横断幕を掲げ、約45分にわたって米軍関係車両の前に立ちふさがり、計3台の車が入るのを止めた。玉城さんは「オスプレイが来れば必ず死者が出る。シュプレヒコールで止まらない以上、誰かが体を張らなければいけない。個人が立ち上がれば基地は使用不能になる。またやりたい」と直接行動の理由を語った。

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 「強奪基地 撤去」と書いた横断幕を持った玉城さんは午前7時すぎから、58号沿いの横断歩道で「Yナンバー」車の前に立った。制服姿の海兵隊員らは特に抵抗せずに停車し、最大で約20分足止めに遭った。

 MP(軍警察)の車が来て、足止めされた運転手と何事か話したが、玉城さんには話し掛けず、結局3台ともあきらめて引き返した。通勤時間帯の58号は南向けに一時数百メートル渋滞した。

 阻止行動が始まって約40分後、宜野湾署の警察官が到着。「迷惑だから」と説得する警察官に、玉城さんは「殺人、強盗と、迷惑しているのはウチナーンチュ。追い詰められているんだ」と反論した。

 玉城さんは最終的に12人ほどの警察官に囲まれ、行動をあきらめた。

 飛行場から出る車列から様子を見ていた海兵隊員の男性は「オスプレイに来てほしくないことは分かった」と話した。

 近くの街頭で交通安全指導をしていた男性(71)は「私も市民大会、県民大会に参加したから気持ちはよく分かる。ただ、安全には気をつけてほしい」と語った。

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普天間飛行場の一覧

 沖縄県宜野湾市の中心にある米海兵隊航空基地。面積は約480ヘクタールで、市域の約25%を占める。基地を取り囲むように住宅や学校、公共施設が立ち並ぶため、「世界一危険な基地」と称される。2004年8月、同基地に隣接する沖縄国際大学構内にCH53型大型輸送ヘリが墜落した。2012年10月、地元の反対を押し切り、MV22オスプレイ12機が配備された。翌年夏には、さらに12機が追加配備された。日米両政府は1996年に普天間基地の返還に合意したが、実現していない。名護市辺野古沖への代替施設建設には、県民の多数が反対。移設問題は混迷を深めている。

オスプレイの一覧

普天間飛行場に次々と飛来し、着陸する米軍のMV22オスプレイ=2012年10月1日午前11時28分、宜野湾市

 米国のベル社とボーイング社が共同開発した、垂直離着陸が可能な航空機。主翼両端の回転翼とエンジンの角度を変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸と、固定翼機並みの速度での飛行が可能。当初は米4軍で装備する計画だったが、現在製造・配備されているのは海兵隊のMV22と、空軍のCV22。これらを総称して「V22」とも呼ばれる。

 1989年に試作機が初飛行した。その後2000年までに発生した4件の墜落事故とそれに伴う飛行停止、原因究明で計画が遅れたが、改良や評価試験の末、2005年に米政府が「安全基準を満たす」として量産が決定した。

MV22主要データ

回転翼直径 約11.61m
全長 約17.47m
全高 約6.4m
重量 約16000kg
最大離陸重量 23859kg
最高速度 時速 約520km
飛行高度 7925m
航続距離 3892km
戦闘行動半径 約600km(兵員24人搭乗時)
搭乗人員 搭乗員3~4人+人員24人

普天間への配備

普天間飛行場に配備される海兵隊のMV22は、既存の輸送ヘリコプターCH46の置き換えで24機配備。そのうち2012年に配備された機体は、第265海兵ティルトローター(傾斜式回転翼)機中隊(VMM-265)所属の12機。残りの12機は2013年夏に第262海兵ティルトローター機中隊(VMM-262)所属となり、CH46を置き換えた。

MV22とCV22の違い

海兵隊のMV22は輸送用で、空軍のCV22は特殊部隊の投入・回収などに用いられる。特殊作戦用のCV22には低空飛行能力を高めるレーダーが搭載され、敵のレーダー、ミサイルに対する警戒装置などが強化されている。

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1月19日(火) 紙面

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