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 長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故で、この大型バスの土屋広運転手(65)が、昨年末の採用面接時に「長距離の経験がほとんどなく、大型バスの運転に不慣れだ」と不安を伝えていたことがわかった。バス会社「イーエスピー」(東京)が19日、取材に明らかにした。

 山本崇人営業部長によると、土屋運転手は同社の別の運転手の紹介で昨年12月中旬に面接を受けた。運行管理者の荒井強所長が「スキーツアーをやってほしい」と求めると、土屋運転手は「大型は不慣れだ」と申し出たという。土屋運転手は直前まで5年間勤めていた別のバス会社で大型バスを運転しておらず、小型バスが中心だった。

 イーエスピーではスキーツアーの受注が前シーズンに比べて3~4割増え、「運転手が不足して既存のドライバーだけでは負担が大きかった」(山本部長)。特例で土屋運転手を契約社員として採用し、研修を2回実施し、実務で走らせることを決めた。ただ、スキー場まで走る研修はしなかった。技量チェックは同乗した同社のベテランドライバーの個人的な判断に任せていたという。