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SMAP謝罪はイジメである…加齢を超越した「すさまじい」国民的アイドル

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図=編集部
 国民的アイドルグループ・SMAPが「分裂・解散」の危機を回避か――。


 年明け早々、マスメディアで報じられたSMAP解散報道に世間は揺れ、ファンのみならず政財界でも話題になり、海外メディアも注目した。そして、この問題は、1月18日夜に生放送された『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)でのメンバー全員による「謝罪」とグループ継続の意思表明でクライマックスを迎えた。

 これに、インターネット上ではさまざまな意見が飛び交っている。メンバーによる「公開謝罪」には、賛否を含めて多様な感想があるだろう。ただ、私見では、メンバーに対する「イジメ」を、テレビを通じて見せられているような気持ちになってしまった。それは、明るく前向きなSMAPのイメージとは真逆のものだ。

 ジャニーズ事務所に所属する男性アイドルグループ・SMAP。もう四半世紀以上もトップアイドルであり続けたこともすさまじいが、同時に日本のアイドルのあり方を劇的に変えたことについても、多大な貢献がある。

 後者の特徴は、

(1)アイドルの個性を多様な部門で商品化することに成功したこと

(2)メンバーの加齢や景気の変化などとほぼ無関係に人気を維持・拡大していること

が挙げられる。

 SMAPは、世代的にちょうど団塊ジュニア(1970年代生まれ)に属している。人口規模が大きく、現在の消費トレンドを占う上で無視できない層の代表としても、SMAPはあり続けてきた。

 2012年発売の書籍『ジャニ研!:ジャニーズ文化論』(原書房/大谷能生、速水健朗、矢野利裕)では、SMAPがいかに団塊ジュニア世代の消費をリードしてきたかについて、詳細に分析している。

 その上で、著者たちはSMAPの2010年のアルバム『We are SMAP!』になぞらえ、「SMAPは世界だ」と結論付けている。その包括的な世界観やライフスタイルが、さまざまな世代に影響を与えているというわけだ。

独自のモデルをつくり上げたSMAPの功績


 歌とダンスというパフォーマンスを中心に評価され、楽曲の人気が衰えるとともにテレビなどでの露出が減少、そのままフェードアウトしていく……。男性アイドルといえば、1990年代初頭までは、そういったパターンが一般的だった。

 しかし、SMAPは楽曲だけではなく(そもそも、デビュー当初は苦戦した)、メンバーそれぞれがドラマやバラエティ番組などで個性を発揮し、演技者、司会、時にはシェフとして、従来では考えられない幅で活動することで、ファンを増やしていった。

 メンバー全体で売れる面もあったが、むしろ「バラ売り」的な活動こそが、彼らの真価を発揮する場でもあったのだ。そして、それぞれが個性的に活動するが、最終的には「SMAP」という唯一無二の場に集約されるというイメージ戦略は不動のものであった。この「個」と「全体」の絶妙な配分が、SMAPの真価のひとつだったといえる。