GfKジャパンが2015年の動向を調査電動アシスト自転車は販売台数が減少、総額は増加 「子乗せ」が市場をけん引
2015年に日本国内で販売された電動アシスト自転車の台数は前年から2%減ったものの、1台当たりの価格が上昇したことで、販売総額は1%増加したことが、市場調査会社「GfKジャパン」の調査で明らかになった。背景には、チャイルドシート設定車の需要増があるという。
平均価格は9万4800円
調査は全国の百貨店、ディスカウントストア、専門店、ホームセンターおよび家電量販店を対象に実施された。
四半期ごとの販売台数と平均価格は図1のように推移した。販売台数は、最大の商戦期である3月に集中。2014年には4月の消費税増税を控えて第1四半期に駆け込み需要があったが、2015年も第1四半期が盛り上がった。年間の総販売台数に占める3月の割合は、増税の特殊要因がなかった2013年と比べて3ポイント上昇して15%に至った。
また平均価格は、すべての四半期で前年を上回り、通年では前年比3%増の9万4800円となった。
「通学」「シニア向け」の需要拡大に期待
好調な販売を牽引しているのが、チャイルドシート設定車だ。全体の販売台数に対する構成比は、2013年の17%から2014年は24%、2015年は27%と上昇を続けている(図2)。
チャイルドシート設定車の税抜き平均価格は、2015年は11万8700円となり、非設定車に比べて3万円以上高かった。チャイルドシート設定車の需要増が、市場全体の平均価格を押し上げた格好だ。
GfKジャパンは、高校生を中心とする「通学需要」と、クルマの運転を終えようとしている「シニア向けの需要」の拡大にも注目する。メーカー各社は2つの需要に合った製品を開発・販売して新規開拓に乗り出している。
特にシニア向け需要は、子や孫の世代からの「贈与」にも潜在的な需要があるとの見方を示し、「成熟化を迎えた電動アシスト自転車市場の成長は、こうした新たな需要基盤を確立できるかにかかっている」と分析している。