憲法学者「立憲政治取り戻す国民運動委」発足
安全保障関連法が成立して4カ月となる19日、同法に反対する憲法学者らが、「立憲政治を取り戻す国民運動委員会」を発足させた。樋口陽一・東京大名誉教授ら約30人が世話人を務め、学生団体「SEALDs(シールズ)」のメンバーや弁護士、ジャーナリスト、音楽家ら約200人が参加。月に1度集まり、立憲主義の価値を社会に発信するという。
樋口氏らが同日、東京・永田町の衆院第1議員会館で記者会見し、「安保法制の強行成立は立憲主義を否定した民主主義の暴走だ」とする同会の声明を発表した。事務局の幹事を務める憲法学者の小林節氏は「破壊、暴走の事実を時代の目撃者として忘れることはできない」と設立動機を語った。精神科医の香山リカさんは「憲法9条だけではなく、いろんなところで(立憲主義が)ガラガラと音を立てて崩れようとしている。みんなでスクラムを組んで守っていこう」と訴えた。
同会は選挙に関与しない方針だが、安保法制反対を軸とする野党共闘について、会の世話人の一人、評論家の佐高信氏は「野党第1党の民主党がリーダーシップを発揮すべきで、『立憲民主党』に改名してはどうか」と語った。【樋岡徹也】